2013 Fiscal Year Annual Research Report
放射性物質の都市河川および都市沿岸域における挙動把握
Publicly Offered Research
Project Area | Interdisciplinary Study on Environmental Transfer of Radionuclides from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident |
Project/Area Number |
25110501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鯉渕 幸生 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (60349800)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性物質 / 土砂フラックス / 放射性セシウム / 東京湾 |
Research Abstract |
内湾に流入する放射性物質は、細粒土砂に吸着しているが、通常は河口部で懸濁物質に吸着したりにコロイド化して沈降していくのに対して、悪天候時には、河川流量の大幅な増加と伴に、内湾の表層を低塩分水と伴に這うように移動して、河口から10km程度離れた地点にも到着するなど、その輸送過程は主に河川流量や湾内流動によって大きく変化する。また内湾に堆積した細粒土砂や沈降した植物プランクトンは、波に伴う巻き上げや潮汐等さまざまなスケールで輸送され、再び湾内の植物プランクトンに利用される可能性があるが、このような細粒土砂に伴う放射性物質の輸送には未解明な点が多い。そこで、河口周辺や湾内において表層泥のサンプリングを行い。東京湾等の都市沿岸への放射性物質の流入負荷、雨天時合流式下水道越流水等の影響把握と定量化を行った。これら測定結果については、塩分や粒径、有機物含量の結果と併せて検討することで、流入負荷やその生態系への影響把握を行う。 河床に堆積した細粒土砂成分は、先行晴天日数によってその量が大きく異なるため、同規模の降雨であっても先行晴天日数によって、そこに吸着した放射性物質の物質フラックスは大きく変化する。年に数回のイベント的な出水を集中的に計測しただけでは、精緻な微細粒径成分の輸送を把握するには不十分である。そこで2年間以上に渡って様々な降雨イベント前後で計測する必要があるが、2011年10月より定期的な観測を行い、多くの観測結果を蓄積することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2011年10月よりおよそ3ヶ月おきの定期観測を実施して、堆積物コアなどの取得を行った。同時にこれらの結果から放射性物質フラックスを算定して、流域毎の違いについても検討を行っていることから、当初の計画以上と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も現地観測を継続するが、今年度は特にコアの取得に注力する。これは放射性物質の移動が既にほぼ終了したためである。コアを精力的に取得することで、2011年3月からの放出過程を把握することができると判断した。また、放射性物質の今後の予測につながるシミュレーションを実施する。同時に上記の成果発表についてもこれまで以上に積極的に行う予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] 大堀川における放射性セシウムの固液分配と長期変動2013
Author(s)
山下麗, 村上道夫, 柴山尚大, 末木啓介, Mahua Saha, 守利悟朗, Soulichan Lamxay, 呉海鍾, 鯉渕幸生, 高田秀重
Organizer
第16回日本水環境学会シンポジウム講演集
Place of Presentation
沖縄県 琉球大学
Year and Date
20131105-20131108
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[Presentation] Time variation of concentrations of radioactive cesium-134, 137 and iodine-129 in the Ohori River2013
Author(s)
N. Shibayama, K. Sueki, K. Sasa, Y. Satou, T. Takahashi, M. Matsumura, H. Matsuzaki, M. Murakami, R. Yamashita, M. Saha, H. Takada, Y. Koibuchi, S. Lamxay, T. Oki
Organizer
Symposium on Radiochemistry
Place of Presentation
石川県 金沢文化ホール
Year and Date
20130923-20130926
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[Presentation] Long-term variation and source analysis of radioactive cesium in the Ohorigawa River2013
Author(s)
Rei Yamashita, Michio Murakami, Keisuke Sueki, Mahua Saha, Goro Mouri, Soulichan Lamxay, Haechong O, Yukio Koibuchi, Hideshige Takada
Organizer
Joint Conference of 11th AsiaFlux International Workshop, 3rd HESSS (Hydrology delivers Earth System Science to Society), and 14th Annual Meeting of Korean Society of Agricultural Forest Meteorology
Place of Presentation
Seoul, Korea
Year and Date
20130821-20130824
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