2013 Fiscal Year Annual Research Report
粒径分布に着目した土壌流出現象の実験的検討と物理モデルの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Interdisciplinary Study on Environmental Transfer of Radionuclides from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident |
Project/Area Number |
25110503
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木内 豪 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (00355835)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工降雨実験 / 土壌侵食 / 土粒子粒径 / 放射性セシウム / 物理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原発由来の放射性セシウムの多くは陸域表面の土壌や植生等に付着した状態で存在し、降雨時はそこから剥離・浮遊する土粒子や有機物等とともに河川等の水系に移行する。放射性セシウムは微細な土粒子により多く吸着するため、降雨に伴って環境中を移動する土粒子の挙動を良く理解し、動態予測につなげる必要があるが、これまでの土壌侵食・流出の研究は総量の評価が中心であったため、微細粒子も含む土粒子の粒径に着目した流出量定量化の研究は不足している。そこで、本研究では室内人工降雨実験に基づきながら土壌侵食・表面流出による土粒子の挙動理解とそのモデル化を行う。 平成25年度には、室内人工降雨装置の製作、土壌侵食・流出装置の製作、実験用土壌の準備ならびに流出実験を行った。人工降雨装置の製作に当たっては、雨滴落下速度や雨滴径別雨滴数が屋外の降雨にできるだけ近くなるとともに、土砂の侵食・流出を引き起こす高い降雨強度や降雨の空間均一性が確保できるように様々な方法を検討した。その結果、実験室内に設けた高さ約3.5mのタワー上部にスプレーノズルとブロワ―を設置することで、20cm×20cmの土壌表面上に比較的均一で屋外の雨滴径分布にも近い降雨を強度100mm/hr以上で再現可能となった。次に、本装置を用いて土壌侵食・流出実験を行うための土壌容器の試作と屋外土壌を用いた侵食・流出実験を行い、表面流出量や土壌の侵食・流出量およびその粒径分布を計測した。以上の検討により、今回作成した装置及び実験手法によって、実内において土壌の侵食・流出量の定量評価が可能であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工降雨装置の開発段階において、雨滴落下速度や均等な降雨落下の確保が予想以上に困難を伴ったが、ほぼ最終的な人工降雨発生装置の諸言を確定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終的な人工降雨発生装置の諸言が定まったことから、今後は研究計画に従って実施する。
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Research Products
(4 results)