2013 Fiscal Year Annual Research Report
シナプスオーガナイザーの機能破綻から神経発達障害の発症に至るシナプス病態の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
25110708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 知之 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90372367)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経発達障害 |
Research Abstract |
知的障害及び自閉症原因遺伝子産物IL1RAPL1及びそのリガンドPTPδの相互作用からシナプス前部、後部が誘導される分子シグナルのネットワークを明らかにするとともに、シナプスオーガナイザーの機能欠損が引き起こす神経発達障害におけるシナプス病態と回路構築病態を明らかにすることを目的として研究を行った。IL1RAPL1の細胞内領域をベイトとしたアフィニティークロマトグラフィーにより、多数の結合因子を同定した。興奮性シナプス後部に局在するIL1RAPL1の細胞内領域にはRhoグアニンヌクレオチド変換因子であるMcf2Lが結合し、ROCK等を介してシナプス後部スパイン形成を担うことを明らかにした。また、IL1RAPL1-Mcf2L-ROCK経路はAMPA型グルタミン酸受容体の膜移行を調節して、興奮性シナプス成熟にも関与することを明らかにした。一方、IL1RAPL1欠損マウスの行動学的解析から、参照記憶、作業記憶の異常、行動の柔軟性の異常、社会性の異常等の神経発達障害に関連する行動表現型を見出してる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL1RAPL1及びそのリガンドPTPδのインターラクトーム解析について、当初の予定通りスクリーニングがほぼ完了し、神経発達障害関連シナプスタンパク質のリストが出来上がったため。
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Strategy for Future Research Activity |
L1RAPL1及びそのリガンドPTPδのインターラクトーム解析から得られた神経発達障害関連シナプスタンパク質のリストの中からシナプス形成調節の鍵分子をノックダウン法によってスクリーンする。
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