2014 Fiscal Year Annual Research Report
Ca2+透過性AMPA受容体過剰発現による緩徐な運動ニューロン死の分子病態解析
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
25110709
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
郭 伸 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40160981)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / 脳・神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤発性ALSの分子病態モデルであるAR2マウス運動ニューロンに観察される異常な核内空泡形成には、運動ニューロンへのCa2+の流入増加が主要な役割を果たしていると考えられるため、以下の検討を行った。 細胞質のCa2+濃度上昇が核の形態異常を引き起こすには細胞質と核質の物質輸送を制御する核膜孔複合体(NPC)の異常が関與していると考えられる。また、AR2マウス運動ニューロンでは細胞質のCa2+濃度上昇に伴い、Ca2+依存性プロテアーゼであるカルパインが活性化することが分かっている。 NPCに構造的な変化が起きているか如何かをNPCを構成する分子である各種nucleoporin (NUP)に対する特異抗体で免疫組織化学的に検討した。NCPを校正する主要なNUPであるNUP62, 88, 153タンパクの免疫活性が、AR2マウスのADAR2を缺損した運動ニューロンでは消失していた。これに対し、同一切片上のADAR2 を発現する運動ニューロンには、野生型マウス運動ニューロンと同様に、鮮明な免疫活性を呈していた。 次に、NUP62, 88, 153蛋白がカルパインにより切断されるかどうかを検討した。何れのNUPも特異的にカルパインによる切断を受けることが明らかになり、AMPA受容体からのCa2+流入に伴い活性化したカルパインがNUPを断片化することによりNPCの機能異常を引き起こしていることが考察される。 孤発性ALS患者剖検脊髄の検討から、運動ニューロンでは一部のNUPに染色性の異常が報告されており、本研究の結果は、AR2マウスが孤発性ALSの分子病態の解明に有用である更なる証左を与えたと考えられる。したがって、孤発性ALSの病因には、ADAR2 の発現低下に依り引き起こされる細胞死カスケードは、Ca2+シグナリング調節機構の破綻に伴う様々な分子異常であることを強く示唆する。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] ALS 治療への展望2014
Author(s)
郭 伸
Organizer
第12回神経難病とケアを考える会
Place of Presentation
エーザイホール, 東京
Year and Date
2014-06-28 – 2014-06-28
Invited
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[Presentation] 子宮内電気穿孔法TDP-43遺伝子導入によるin vivo形成封入体の微細形態の検討2014
Author(s)
詫間 浩, 赤松 恵, 山下雄也, Hartmut Oehring, 岡田拓也, 枡 和子, 石井一弘, Gustav Jirikowsk, 郭 伸, 枡 正幸, 玉岡 晃
Organizer
第55回日本神経学会学術大会
Place of Presentation
福岡国際会議場, 福岡
Year and Date
2014-05-21 – 2014-05-24
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