2014 Fiscal Year Annual Research Report
運動障害と認知障害を分離するパーキンソン病のサーキットパソロジー
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
25110716
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 昌彦 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (00236233)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 黒質 / 線条体 / ドーパミン / ウイルスベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自に開発した逆行性感染型レンチウイルスベクター(逆行性LVベクター)とアデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)を用いて、黒質ドーパミンニューロンに細胞死や興奮抑制を誘導するような機能分子を発現させ、ドーパミン神経路をその機能局在性に基づいて選択的に除去あるいは活動阻害することにより、運動障害と認知障害を分離することができるパーキンソン病の霊長類モデルを作出し、そのサーキットパソロジーを明らかにすることを目的としている。平成26年度は、以下の2つの研究計画を実施した。 (1)運動機能と認知機能の評価を切り分けておこなうことができる新たな行動課題である迷路課題を考案し、この課題をサルにトレーニングした。 (2)マカクザル脳におけるアルファシヌクレイン発現ニューロンの加齢による分布変化を、特に中脳ドーパミン神経系に着目して免疫組織化学的に解析した。本研究には、10歳から31歳(ヒトでは約30歳から93歳に相当)の健康なマカクザル(ニホンザル、カニクイザル、アカゲザル)を使用した。アルファシヌクレインの沈着は、黒質や腹側被蓋野のニューロンですでに10歳時からみとめられ、ドーパミン神経路に従って、その後、線条体と側坐核のニューロンにおいて亢進することが観察された。また、中脳皮質ドーパミン神経系におけるアルファシヌクレイン発現ニューロンは前頭前野領域、特に前部帯状皮質、前頭眼窩野、背外側前頭前野で加齢に伴って顕著になり、次第に運動関連領野へと波及した。本研究で用いたすべての個体において、パーキンソン病様の運動障害などの臨床症状を呈したものはなく、また、レビー小体様の凝集体形成も同定されなかった。本研究の結果から、老齢マカクザルはパーキンソン病だけでなく、びまん性レビー小体型認知症などのレビー小体に関連した精神・神経疾患の発症前モデルとして有用である可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] In vivo PET imaging of the behaviorally active designer receptor in macaque monkeys.2014
Author(s)
Nagai Y, Kikuchi E, W. Lerchner, Inoue K, Oh-nishi A, Kaneko H, Kato Y, Hori Y, B. Ji, Kumata K, M. Zhang , Aoki I, Suhara T, Takada M, Higuchi M, B. J. Richmond, Minamimoto T
Organizer
第44回北米神経学会大会(SFN)
Place of Presentation
ワシントンDC,USA
Year and Date
2014-11-17 – 2014-11-17
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