2014 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類特異的シナプス形成/刈り込みメカニズムと発達障害におけるその異常
Publicly Offered Research
Project Area | Generation of synapse-neurocircuit pathology |
Project/Area Number |
25110740
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
一戸 紀孝 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所微細構造研究部, 部長 (00250598)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シナプス / 自閉症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトを含む霊長類では、生後に新生児期、小児期にシナプスの急速な増大が起こり、小児期にピークに達し、その後、児童期、思春期、青年期、成人とシナプスが刈り込まれて行く事が知られている。近年、このパターンの異常と精神疾患に関連がある事が解明されつつある。自閉症スペクトラムでは、全体にシナプスの増大が大きく、シナプスの刈り込みが小さく、統合失調症では、思春期のシナプスの刈り込みが異常に大きくなっていると考えられている。本研究は、遺伝子改変可能で成熟も早く、多産である点でモデル動物として適していると考えられているマーモセットを用いて、その正常な分子メカニズムを検討するとともに、今回我々が開発した自閉症モデルマーモセットを用いて、その分子的なシナプス形成/刈り込みの異常性のメカニズムを明らかにしようとするものである。モデルとしてより頻繁に用いられるマウスやラットのげっ歯類には大規模な刈り込みは存在せず霊長類独特の現象へ迫る事が難しいため、本研究は、新しい霊長類モデルを用いた疾患研究の試金石となり得る。現在まで、我々は一次視覚野、側頭連合野、前頭連合野のマーモセットの3層の錐体細胞の基底樹状突起をルシファーイエローを用いてフィルし、樹状突起とそれに付随し、興奮性の入力の部位となっていると考えられているスパインの量について検討し、上記の3つの領域で誕生後に急速にスパインが増大し、3ヶ月でピークに達し、6ヶ月まで再び急速に減少し、そこからゆっくりと成体になるまで減少し続ける事を示した。これらのイベントに関わる生後0日、2ヶ月齢、3ヶ月齢、6ヶ月齢、4.5歳の各時期に、上記3領域ででサンプルを固定せずに取り出し、マーモセット用のジーンチップを行った。これらの解析により、synaptogenesis/pruningに関わる遺伝子の候補をある程度、絞り込んだ。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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