2014 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞レパートリー形成におけるプロテアソームの役割
Publicly Offered Research
Project Area | Analysis and synthesis of multi-dimensional immune organ network |
Project/Area Number |
25111501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
笠原 正典 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30241318)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫学 / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
プロテアソームの酵素活性サブユニットのうちβ5ファミリーはキモトリプシン様活性を有し、MHC class I分子に結合するペプチド産生に重要な役割を果たす。β5ファミリーには体細胞に広く発現する構成型β5、リンパ組織に発現する免疫型β5i、胸腺皮質に発現するβ5tが存在する。胸腺におけるCD8+ T細胞の選択には、皮質上皮細胞に発現するβ5tが正の選択に、髄質上皮細胞に発現するβ5iが負の選択に働くと考えられているが、皮質や髄質で提示されるペプチドの特性や胸腺選択のメカニズムには不明な点が多い。本研究では胸腺皮質と髄質で重複するβ5サブユニットを発現する複数系統の遺伝子改変マウスを作製し、CD8+ T細胞の分化を検討した。その結果、皮質と髄質でβ5サブユニットが重複したマウスではCD8+ T細胞の減少、TCRβ発現の低下、TCRレパトアの偏りを認めた。β5tを重複して発現するマウスでは正の選択に異常は認めなかったが、β5、β5iを重複して発現するマウスでは正の選択の異常を認めた。以上から、胸腺選択ではβ5tによる正の選択が重要であり、さらに髄質で皮質とは異なるペプチドレパートリーの提示を受けることが重要であることが示唆された。本研究成果に関しては、現在論文投稿準備中である。 また、ヒト疾患とのβ5tの関連性に関しては、臨床的に細胞性免疫の低下が問題となることがしばしば経験されるDown症候群の胸腺の解析を行った。解析の結果、Down症候群の胸腺では顕著な胸腺萎縮を認める症例が多いこと、萎縮胸腺ではβ5tの発現が低下していることを明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(42 results)