2013 Fiscal Year Annual Research Report
成長組織場における細胞の時空間認識メカニズムの理論的定式化と実験的検証
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
25111735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森下 喜弘 独立行政法人理化学研究所, 発生・再生科学総合研究センター, 研究ユニットリーダー (00404062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発生動態 / 理論生物 |
Research Abstract |
組織の成長と化学場の時間変動が遅い場合に、化学場を介した空間認識の精度を最大にするための条件(空間情報の最適コーディング)を微分幾何的定式化することによって明らかにできた。これは、本研究の中心課題である「発生過程の成長組織場において相対位置を時々刻々変動させて動く細胞が、ダイナミックに変化する化学場との相互作用を通じて、いかに時空間情報を正確に認識し正確なパターニングを行うか」、そのメカニズムを解明するための理論基盤を与える。今後、この理論を論文にまとめて専門誌に投稿するとともに組織の成長ダイナミクスを考慮した場合への理論の拡張を行っていく。 また、成長場において、化学反応系を介した空間パターニングをロバストに行うメカニズムを解明するために、血管形成や植物の葉脈形成で見られるCanalization modelの動態を成長場において解析し、(1)組織の成長ダイナミクス、(2)細胞の力学特性、(3)化学反応系の間にどのような相互作用が必要であるかを明らかにした。この研究は専門誌に掲載された。 (S. W. Lee, F. G. Feugier, and Y. Morishita, Canalization-based vein formation in a growing leaf, Journal of Theoretical Biology, 353: 104-120, (2014))
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究目的の一番中心となる、成長場における時空間認識メカニズムの解明を実現するための理論的基礎が順調に進んでいるため。 同時に、抽象的な理論だけではなくCanalizationという具体的な生物現象に関する研究を行い査読有論文に掲載されたため、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで構築した理論を論文にまとめ投稿し、さらなる理論の拡張を行う。
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Research Products
(3 results)