2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん治療応答制御に関わる自然免疫関連因子の同定と解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative Research on Cancer Microenvironment Network |
Project/Area Number |
25112701
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
地主 将久 慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (40318085)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍免疫 / マクロファージ / TIM-4 / ATG5 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗癌剤など細胞障害性ストレス刺激によりヒト、マウス腫瘍内ミエロイド細胞に特異的に誘導される標的遺伝子群のスクリーニングを施行した。具体的には、腫瘍、正常マクロファージ細胞株を樹立し、各々に干渉RNAライブラリー導入後の抗がん剤としてシスプラチン刺激48時間後にIFN-βルシフェラーゼ産生能力を比較し、より腫瘍マクロファージ株より誘導される遺伝子群をスクリーニングした結果、TIM-4およびATG5を同定した。TIM-4は抗がん剤により誘導されたアポトーシス腫瘍細胞を認識後に、Phagosomeに移行し、AMPK-α1と結合、活性を誘導することで、Autophagosome形成に寄与することを見出した。TIIM-4-AMPKα1経路を介在した細胞貪食とオートファジー双方の活性は死細胞の過剰分解を誘導することで、抗原特異的免疫応答に必要な抗原量の低下を引き起こし、Deletion toleranceを介した抗腫瘍免疫抑制に貢献していることを同定した。さらに、腫瘍内マクロファージにおけるTIM-4-AMPKα1-オートファジー経路を介した免疫寛容システムは、抗がん剤による抗腫瘍応答抑制に重要であることを、骨髄キメラシステムによるin vivo腫瘍モデルにおいて証明した。 さらに、マクロファージ特異的ATG5欠損マウスは、コントロール群と比較して腫瘍転移活性能が著名に障害されていることを見出した。この分子機構としてATG5を介したTGFβ産生促進、およびこのマクロファージ由来TGFβ依存性に腫瘍細胞EMTや免疫抑制、TAM誘導等複合的なメカニズムを介して転移促進能を獲得するという新たな分子カスケードを同定した。 以上より、がん微小環境中の抗がん剤耐性や転移促進に寄与する「免疫ニッチ」の解明の一旦に貢献できたと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)