2013 Fiscal Year Annual Research Report
LRRK1による中心体複製サイクル/シリア伸長制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Cilium-centrosome system regulating biosignal flows |
Project/Area Number |
25113512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
花房 洋 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (00345844)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 一次シリア / LRRK1 / NDE1 |
Research Abstract |
ROCOファミリーキナーゼLRRK1はRas様GTPaseドメインとMAPKKK様キナーゼドメインを持つユニークな分子である。近年ファミリー分子LRRK2がパーキンソン病原因遺伝子(Park8)であることが明らかとなり、臨床的にも注目を集めている。しかしLRRK1及びLRRK2の生理的機能に関してはほとんど明らかになっていない。申請者らはLRRK1が活性化したEGFRと複合体を形成し、キナーゼ活性依存的にEGFR細胞内トラフィックを制御することを明らかにした(Nat. Commun. 2011, MBC 2012)。これとは別に最近、活性化したLRRK1が母中心小体に局在し、シリアの形成に重要であることを明らかにしていた。LRRK1の作用機構を検討するため、LRRK1と相互作用する分子を探索したところ、NDE1を同定した。NDE1は母中心小体に局在し、G0期シリアの伸長を負に制御していることが報告されている。そこでLRRK1とNDE1との関係を中心に解析を進めた。その結果、(1)LRRK1はNDE1をin vitroでリン酸化すること、(2)質量分析からLRRK1によるリン酸化候補部位として複数の部位を同定すること、に成功した。今後はLRRK1によるNDE1のリン酸化部位の同定と、リン酸化の役割を中心に解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の解析から、LRRK1がNDE1をリン酸化することを明らかにした。また質量分析を用いた解析から、LRRK1によるリン酸化候補部位として3カ所のセリン、スレオニンを同定することに成功した。現在これらの部位に変異を導入し、LRRK1が実際にどの部位をリン酸化しているのか解析を進めている。このようにおおむね計画どおりに研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の点に焦点を絞り解析を行っていく予定である。 (1)質量分析によって同定したNDE1のリン酸化候補部位3カ所にアラニン変異を導入したGSTリコンビナントタンパク質を作製し、LRRK1が実際にどの部位をリン酸化するのか決定する。 (2)同定した部位に変異を導入し、非リン酸化型NDE1及びリン酸化模倣型NDE1を作製し、培養細胞に発現させることでシリア形成にたいする効果を検討する。 (3)NDE1はダイニン軽鎖LC8と相互作用し、シリア形成を制御していることが示唆されている。そこで、LRRK1によるNDE1のリン酸化が、NDE1とLC8との結合を変化させシリア形成を正に制御しているのか検討する。
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