2013 Fiscal Year Annual Research Report
多極性-双極性ニューロン変換における中心体の機能
Publicly Offered Research
Project Area | Cilium-centrosome system regulating biosignal flows |
Project/Area Number |
25113525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
廣田 ゆき 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00453548)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多極性ニューロン / 脳室下帯 / ニューロン移動 |
Research Abstract |
本年度は多極性ニューロンに強く発現する遺伝子としてリーリン受容体ApoER2蛋白質に着目した。ApoER2蛋白質は脳室下帯のニューロンにおいて一過性に発現し、その後発現は消失する。マウス胎生14日の脳室下帯で子宮内電気穿孔法にてApoER2をノックダウンし、ニューロン移動に及ぼす影響を経時的に解析した。その結果、ApoER2をノックダウンした多極性ニューロンでは中心体およびゴルジ体が軟膜側へ移動し、双極性ニューロンへの移行が促進することを見いだした。この移動促進の効果はノックダウンから48時間後に認められるが、72時間後には移動細胞の分布が対照群と差がなくなる事から、細胞移動促進は一時的であると考えられた。一方、ノックダウンから5日後では脳表近くにおいてニューロン配置の異常が認められ、さらに生後1週間では最終配置が脳室側へとシフトしていた。これらのことから、脳室下帯における多極性ニューロンの中心体動態制御がその後のニューロンの移動パターンに影響を及ぼす可能性が示唆された。これを受けて、ApoER2が中心体動態に与える影響を培養下で調べるために、脳室下帯の初代培養系確立を行った。子宮内電気穿孔法にてGFP標識を行い、多極性ニューロンが多数生じている48時間後に解離し、培養を行った。その結果、多くの多極性ニューロンと少数の双極性ニューロンが培養下に再現可能であった。今後この系を用いてイメージングにより多極性ニューロンにおける中心体動態を明らかにして行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ApoER2ノックダウンの影響の経時的な解析は概ね予定通り振興している。また、多極性細胞から双極性細胞への変換を培養下で観察できる系を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ApoER2による中心体動態制御とニューロン移動制御の分子機構を明らかにするために、下流因子の探索を行う。既知の下流シグナル分子について、ノックダウンにより同様の表現型が得られるかを検討することで、下流因子の候補を絞り、ApoER2ノックダウンと同時に候補分子の強制発現あるいはノックダウンを行い、表現型への影響を調べる。また候補遺伝子がノックダウンされた細胞において中心体・アクチン・微小管・中間径フィラメントにおよぼす影響、特に神経突起の形態と動きに注目してマーカーを用いた抗体染色とライブイメージングにより解析する。。
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