2013 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの異常な活性化に起因する慢性炎症発症機序の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
25113716
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堀川 一樹 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任教授 (70420247)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イメージング / マクロファージ / 炎症 |
Research Abstract |
IL-1βの産生活性を可視化するため、大きなシグナル変化ならびに十分な感度特性を有するFRET型蛍光指示薬の開発を行った。まずFRETシグナル変化を最大化するため、ドナーアクセプターの配向関係の最適化を行った。その結果、ECFPと円順列変異体Venus(cp173Venus)の間にICE1/casp-1認識配列を挿入したものが550%という大きなシグナル変化を示す事がわかった。また、ICE1/casp-1の活性化を高感度に検出する事を目的に、ICE1/casp-1の認識配列の至適化ならびにタンデム配置による切断効率の最適化を行った。その結果、至適配列を3つタンデム配置した指示薬が、in vitroでの切断効率が最も高くなる事を明らかにした。次に、マクロファージ系列の培養細胞を用いて、刺激応答時のIL-1β産生能をモニターできるかどうか検討した。ATP刺激による指示薬のシグナル変化をアッセイしたところ、後期応答であるアポトーシスに伴うFRETシグナルの解消は検出できるにも関わらず、初期応答でのFRETシグナル変化を検出することが出来ないことが明らかになった。ELISAによる培養上清中のIL-1β産生は正常に検出されたことから、開発した指示薬はin vitroで再構成されたICE1/casp-1の基質にはなりうるが、細胞内では適切な基質とならない可能性が示唆された。この問題を解決するため、細胞内インフラマゾームで正しくプロセッシングされるような指示薬の改良を行う必要があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroでは十分な性能を発揮することが確認できたプロトタイプ指示薬が、細胞内では十分な機能を有しないという想定外の事態が明らかになったため、全体の進捗が遅れている。すでに問題解決の方針も確定しているため、H26年度には進捗の遅れを取り戻すことができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
IL-1βの細胞内産生動態を可視化するためには、指示薬がインフラマゾーム中のICE1/casp-1に正しく認識されるよう指示薬の改良が必要である。このため、6アミノ酸からなるICE1/casp-1認識至適配列にかわり、完全長のIL-1βを用いたFRET解消型指示薬を作製する。感度を優先させるため、ECFP-cp173Venus間のリンカー配列を6-18アミノ酸から269アミノ酸(完全長pro-IL-1β)とすることで、細胞内でもICE1/casp-1の基質となる事を確認する。次に、IL-1β全長配列を基質とした場合、応答の感度は改善する一方で、FRETシグナル変化が著しく減少する事が予想される。細胞内インフラマゾームでの指示薬切断に伴うシグナル変化を最大化するため、ドナーならびにアクセプター蛍光遺伝子に異なる細胞内コンパートメントへの移行シグナルを付加する事で、検出効率の向上を目指す。In vitroでのアッセイでは不十分な事が明らかになっているので、アッセイは培養細胞ならびに初代培養単球細胞を用いて行う。ELISAによる内在IL-1βを指標に、IL-1β産生活性を有する指示薬が完成したら、指示薬をマクロファージ系列で発現するトランスジェニック動物の作出を行う。研究の効率化を図るため、トランスジェニックマウスの作製に先立って、トランスジェニックゼブラフィッシュの作出を進め、慢性ならびに急性炎症反応におけるIL-1β産生動態の生体内イメージング解析を行う。
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Research Products
(4 results)