2013 Fiscal Year Annual Research Report
E3ユビキチンリガーゼの機能ドメイン形成によるT細胞活性化制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Mutli-dimensional fluorescence live imaging of cellular function and molecular activity |
Project/Area Number |
25113725
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
横須賀 忠 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 上級研究員 (10359599)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫学 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
T細胞が抗原提示細胞から情報を受け取る際、T細胞受容体(TCR)とその下流のシグナル伝達分子から成る凝集塊「TCRマイクロクラスター」が形成され、T細胞の活性化を誘導する。アレルギーや自己免疫疾患で起こっているT細胞の過度な活性化を制御する目的で、TCRマイクロクラスターの視点からそれを抑制する制御分子を研究してきた。本課題研究では、E3ユビキチンリガーゼc-ClbおよびCbl-bが構成する新規クラスターを可視化し、TCRの取り込み・分解とT細胞活性の抑制メカニズムを明らかにすることを目的とする。 1 ユビキチンのイメージング解析:c-CblおよびCbl-bのエフェクター分子ユビキチンを可視化するため、ユビキチンと蛍光タンパクのキメラ分子、および、リジン残基K48およびK63のユビキチン結合を特異的に認識するプローブを新規作成した。TCRマイクロクラスターに集まってくるユビキチンはシグナル伝達分子の活性化やインターナリゼーションを示すK63結合が多く、タンパク分解を示すK48結合は少なかった。これは、リジン残基の結合に得意的なモノクローナル抗体を用いた実験でも示された。 2 直鎖型ユビキチンのイメージング解析:NF-κB経路の活性化に重要と考えられているファーストメチオニン残基(M1)を、M1特異的に認識するプローブを用いてT細胞活性化におけるM1結合ユビキチンの局在を探索したが、M1結合を示すユビキチンはTCRマイクロクラスターに優位に存在しなかった。 3 遺伝子欠損マウスを用いたイメージング解析:c-CblおよびCbl-b遺伝子欠損マウス由来末梢T細胞を用いTCRマイクロクラスターの挙動を可視化したところ、Cbl-b遺伝子欠損細胞にて激しくTCRの取り込みが低下していること、代わりにTCR下流のシグナル伝達分子が停滞することが分かった。また、Cbl-b遺伝子欠損によるK63ユビキチンのTCRマイクロクラスターへの凝集の低下も明らかであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リジン残基K48のユビキチン結合を特異的に認識するプローブを新規作成できたことは、ユビキチン研究において非常に優位な成果である。また、これらのプローブを用い、TCRマイクロクラスターとE3ユビキチンリガーゼおよびユビキチンとの可視化に成功し、本年度の研究実施計画を沿った実験が行うことが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
イメージングで得られた結果と疾患との関連性を示すため、変異型Cblを責任分子とする骨髄異形成症候群をモデル化し、過度に活性化したCblと疾患発症の原因探索、さらにはアレルギー発症のモデル化を行う。また、これまでの末梢T細胞を用いた実験を、胸腺T細胞にも拡大し、c-CblおよびCbl-bアイソフォームによる機能の違い、胸腺T細胞と末梢T細胞との相違点、自己免疫疾患発症に寄与する胸腺内T細胞シグナルの破綻、などを解明する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The lymphoid lineage-specific actin-uncapping protein Rltpr is essential for costimulation via CD28 and the development of regulatory T cells2013
Author(s)
*Yinming Liangv, *Margot Cucchetti, *Romain Roncagalli, *Tadashi Yokosuka, Aurelie Malzac, Elodie Bertosio, Jean Imbert, Isaac J Nijman, Miloslav Suchanek, Takashi Saito, Christoph Wulfing, Bernard Malissen, Marie Malissen (*equally contributed)
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Journal Title
Nature Immunology
Volume: 14
Pages: 858-866
DOI
Peer Reviewed
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