2013 Fiscal Year Annual Research Report
擬似植物細胞モデルにおける微小管の力学応答特性
Publicly Offered Research
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
25114501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
角五 彰 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10374224)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 擬似細胞モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では未だ解明されていない植物における力学情報処理機構を微小管が内在的に有している力学応答特性から明らかにしてくことを目的としている。この課題に取り組むに当たり、生体類似の微小管構造体をin vitroで再構築する。さらに外部からの力学ストレスとして基板の伸縮による「伸縮刺激」を微小管構造体に印可し、その伸縮刺激に対する構造体の応答挙動について、微小管構造体の時空間的な配列変化から評価することを計画していた。具体的には、1)微小管の観察に適した顕微鏡上伸展装置の開発と観察系の構築。これは申請者がこれまでに開発した微小管の長時間観察が可能なチャンバーシステムを改良し、微小管に伸縮刺激を印加可能な装置の設計・開発を行うものである。2)微小管構造体および細胞様空間からなる擬似植物細胞モデルの構築。リソグラフィー技術を用いてPDMS基板上に細胞様空間を作成する。その空間内に微小管構造体をエネルギー散逸的に再構築させることで擬似植物細胞モデルを構築する。3)擬似植物細胞モデルにおける微小管の力学応答性評価。擬似植物細胞モデルに伸縮刺激を印可しセル内の微小管の配列変化についてその平均角度・配向度が時空間的にどのように変化するのかを評価する。その結果をもとに、微小管のもつ力学情報処理機構を明らかにしてく。平成25年度は主に研究課題(1)と(2)に取り組み予定通り顕微鏡上伸展装置の開発および擬似植物細胞モデルの構築を実現している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に掲げた2課題、1)微小管の観察に適した顕微鏡上伸展装置の開発と観察系の構築、2)微小管構造体および細胞様空間からなる擬似植物細胞モデルの構築ともに当初の予定通り達成された。これらの成果から、当初の目的に対して概ね達せできたと自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果をもとに26年度は課題3)擬似植物細胞モデルにおける微小管配向構造の力学応答性評価に取り組む。具体的には以下のように進めていく予定である。植物細胞に定常的に働いている伸縮刺激を擬似植物細胞モデルに与え、微小管の配列構造がどのように変化するのか、微小管の平均角度や配向度(角度分散)により評価する。また、基板の伸縮歪量や伸縮周波数、また、微小管間の相互作用としてMAP4および微小管の濃度を制御し、これらのパラメーターに対する微小管配向構造の時空間的な配列変化について評価する。微小管の角度については蛍光染色した微小管の顕微鏡画像を解析し、ある輝度値をもつ単位画素数で微小管の伸縮方向に対する平均角度および角度分散を評価する。単一フィラメントに着目した予備的な実験では、基板の歪量や伸縮周波数に依存して微小管のダイナミクス(運動方向や運動速度)が変化することが確認されている。本課題では微小管の配向構造が伸縮刺激に対してどのように応答・変化していくのか力学情報の伝達・増幅という点に着目しながら微小管が内在的に有している力学情報処理機能を明らかにしてく。
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