2013 Fiscal Year Annual Research Report
植物の病原菌認識に伴うMAPKカスケードの活性化機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
25114517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
川崎 努 近畿大学, 農学部, 教授 (90283936)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫 / 信号伝達 / MAPK / 病原菌 |
Research Abstract |
植物は、細胞膜上に存在する受容体を介して、病原菌を構成する成分を、病原菌に特有な分子パターン(PAMP)として認識し、迅速な抵抗性反応を誘導する。このような免疫応答において、MAPKカスケードが活性化されることが知られているが、その分子機構は明らかになっていない。これまでの研究により、イネのキチン受容体OsCERK1が、OsRLCK185をリン酸化することで、細胞内に情報を伝達していることが明らかになった。さらに、OsRLCK185の発現抑制体では、キチンに応答したMAPKの活性化が抑制されることから、OsRLCK185が、直接、MAPKカスケードを活性化している可能性が示唆されたため、OsRLCK185に相互作用するMAPKKKを探索し、OsMAPKKKaとOsMAPKKKbを単離した。、OsMAPKKKaとOsMAPKKKbの発現抑制体では、キチンに応答したOsMPK3/OsMPK6の活性化が抑制されていることが明らかになった。また、OsMAPKKKaとOsMAPKKKbのシロイヌナズナホモログとして、AtMAPKKKaを単離した。AtMAPKKKaの機能欠損変異体を単離し、キチンに応答したMAPKの活性化を解析したところ、AtMPK3/AtMPK6の活性化が抑制されていることがわかった。AtMPK3/AtMPK6の上流のMAPKKとして、AtMKK4とAtMKK5が知られているため、AtMAPKKKaとの相互作用を解析したところ、AtMAPKKKaのキナーゼドメインがAtMKK4には結合するが、AtMKK5には相互作用しないことがわかった。このことから、CERK1の下流に、AtMAPKKKa - AtMKK4 - AtMPK3 / AtMPK6の信号伝達系が存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
キチン認識に伴いMAPキナーゼカスケードが活性化されることが知られているが、その分子機構は不明であった。キチン受容体からの情報を細胞内に伝達するOsRLCK185の相互作用因子として、OsMAPKKKaとOsMAPKKKbを単離し、さらに、それらのシロイヌナズナホモログとして、AtMAPKKKaを同定した。これまで、シロイヌナズナの主要なMAPKであるAtMPK3 / AtMPK6がどのように活性化されているかは不明であったが、AtMAPKKKaがそれらのMAPKのMAPKKKとして機能していることを明らかにすることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
AtMAPKKKaとAtMKK4の相互作用を分子生物学的手法を用いて詳細に解析し、AtMAPKKKaによるAtMKK4の活性化機構を明らかにする。また、AtMAPKKKaの機能欠損変異体を用いて、様々なPAMPsに応答した免疫応答を調べ、植物免疫におけるAtMAPKKKaの機能を明らかにする。
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[Journal Article] An OsCEBiP/OsCERK1-OsRacGEF-OsRac1 module is an essential early component of chitin-induced rice immunity2013
Author(s)
Akamatsu A, Wong HL, Fujiwara M, Okuda J, Nishide K, Uno K, Imai K, Umemura K, Kawasaki T, Kawano Y, and Shimamoto K
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Journal Title
Cell Host Microbe
Volume: 13
Pages: 465-476
DOI
Peer Reviewed
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