2014 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルバイオロジーによる細胞膜オーキシン受容体の機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Plant cell wall as information-processing system |
Project/Area Number |
25114518
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
林 謙一郎 岡山理科大学, 理学部, 教授 (30289136)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オーキシン / 植物ホルモン / 細胞壁 / ケミカルバイオロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
植物のオーキシン応答には核内オーキシン受容体TIR1で制御される転写調節を介した応答と,転写調節を介さない応答が知られている。細胞伸長に関与する別のオーキシン受容体が細胞膜には存在すると示唆され,転写制御を介さない信号経路を制御すると考えられてきた。ABP1(Auxin Binding Protein 1)は,この別経路を制御する細胞膜上の受容体と推定されてきた.ABP1は,TMKと相互作用し,その下流のROPやRICを制御することで,オーキシン輸送担体PINの細胞内局在とそれに続くオーキシン輸送を調節することが報告されている。しかしながら,その詳細な生理的役割は不明であった。2015年1月に,ABP1のnull変異株が,従来報告されてきたような胚性致死や表現型異常が認められず,また,オーキシン応答にも異常を示さないことが報告された。本研究では,”細胞伸長の制御”という植物細胞壁の情報処理システムに深く関係するABP1の信号経路を,ケミカルバイオロジーの手法により解明することを研究目的とし,研究を推進した。本研究で分子設計・評価したオーキシンアナログには,直接的にTIR1・AFB受容体を活性化しないことが明らかとなった。一方,アナログは胚軸伸長や不定根形成には促進的に作用したことから,アナログが内生IAAの極性輸送に作用することで,間接的にオーキシンに関連した細胞伸長に関する生理活性を示すと推定された。さらに,アナログはNAAと同様に,PIN2の細胞膜への局在を誘導することから,アナログはオーキシン輸送を促進すると推定された。現在,ABP1の生理機能については多くの矛盾した結果が報告されており,本研究成果を含めて,ABP1の生理機能についてより詳細に検討する必要がある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)