2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス増殖機構のメゾスケール解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular basis of host cell competency in virus infection |
Project/Area Number |
25115505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 岳志 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (00422410)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / エボラウイルス |
Research Abstract |
本研究は、ウイルス感染後期におけるウイルス蛋白質複合体・ウイルスゲノム複合体・宿主細胞の微細構造変化を、種々の電子顕微鏡法を駆使してメゾスケール(数十~数百ナノメートルレベル)で視覚的に解析することで、マイナス鎖RNAウイルスのウイルス増殖機構を明らかにすることを目的とする。エボラウイルスをモデルとした研究では、マトリクス蛋白質VP40の機能(多機能性)と構造(多量体形成能)の関連を明らかにする。インフルエンザウイルスをモデルとした研究では、ウイルス膜貫通蛋白質M2がどのようなメカニズムで8種類のゲノムを認識してウイルス粒子内に取り込むかを電子顕微鏡法により明らかにする。 今年度は、X線結晶構造解析により、エボラウイルスのマトリクスタンパク質VP40の構造を解いた。解かれた構造からVP40-VP40相互作用領域および疎水性アミノ酸領域に着目し、各種変異体を作製した。さらにそれら変異体の結晶構造を解き、野生型との分子構造および結晶のパッキング様式を比較した。細胞生物学的およびウイルス学的手法を用いてそれらの性状解析を行い、VP40がnativeな状態では2量体として存在すること、それらがassemblyし、脂質膜と結合することで構造変化を起こし、8量体としてフィラメント状ウイルス粒子を形成するというメカニズムを解明した(Bornholdt, Noda et al., Cell, 2013)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通り、エボラウイルスのVP40の構造を解き、様々な変異体を作製し、それらの性状解析を行うことで、VP40によるself-assembly機構(ウイルス粒子形成機構)を解明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
インフルエンザウイルスに関しては、現在、種々のM2 cytoplasmic tail変異体を作製している。今後、それらの変異がRNPの取り込み効率にどのような影響を与えるかを解析する予定である。
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Research Products
(4 results)