2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染時の細胞・個体レベルでの網羅的状態把握法の確立とその応用
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular basis of host cell competency in virus infection |
Project/Area Number |
25115512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
新矢 恭子 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90374925)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大規模データ / データマイニング / アルゴリズム / シミュレーション / Webツール |
Research Abstract |
目的:細胞および生体へのウイルス感染モデルを用いて細胞および生体の恒常性破綻の機序を解明し、その修復を試みる。 研究方法・計画:ヒト初代肺培養細胞にH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させた系と、マウスに実験室ウイルス株を感染させた系での遺伝子の発現動態をマイクロアレイ法にて網羅的に調べ、5つの作業工程 (1)宿主細胞内でのインフルエンザウイルス等のRNA ウイルス感染に対する遺伝子発現動態の解析、(2)生体内でのインフルエンザウイルス等のRNAウイルス感染に対する遺伝子発現動態の解析、(3)大規模データを用いた解析と結果の可視化、(4)RNA ウイルス感染における遺伝子発現動態の動向把握とシミュレーションモデルの確立、(5)シミュレーションモデルを活用した恒常性破綻時の修復のための実験、に沿って研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、5つの作業行程より成る研究計画のうち、(1)宿主細胞内でのインフルエンザウイルス等のRNA ウイルス感染に対する遺伝子発現動態の解析、(2)生体内でのインフルエンザウイルス等のRNAウイルス感染に対する遺伝子発現動態の解析、(3)大規模データを用いた解析と結果の可視化、(4)RNA ウイルス感染における遺伝子発現動態の動向把握、までを終了した。さらに、複雑系科学のシミュレーションモデルから確立した理論に基づき、各々、不可逆的な恒常性崩壊に関わったと思われる遺伝子群(状態制御の分岐点)を把握した。研究協力者・連携研究者らとともに、研究の途中経過報告を、①Harnessing Immunity to Prevent & Treat Disease 2013 @ Cold Spring Harbor Laboratory、②Functional Genomics and Systems Biology 2013 @ Wellcome Trust Conference Centre、③VISUALIZING BIOLOGICAL DATA VIZBI2014 @ European Molecular Biology Laboratoryにて行った。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに、大量データのデータマイニング方法の一つとして、複雑系科学のシミュレーションモデルの理論に基づき、不可逆的な恒常性崩壊決定の分岐点にあると思われる遺伝子群(状態制御の分岐点にある遺伝子群)を把握する方法を確立した。 現時点で、この方法は、複数の中規模・大規模データに応用可能であることが示唆されているため、今年度1年をかけて、Webツールとして汎用化する予定である。Webツール化にあたり、プログラムの書換えとシステム化を行う必要があるためプログラミングの専門家の参入を計画している。同時に、一連のデータ操作についての論文を作成し、公表する。
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