2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア・宿主間コミュニケーションによる抗ウイルス免疫機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular basis of host cell competency in virus infection |
Project/Area Number |
25115515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小柴 琢己 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70403970)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / ウイルス感染 / A型インフルエンザウイルス |
Research Abstract |
細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアは、近年の研究から抗RNAウイルス自然免疫と密接に関係していることが明らかとなってきた。しかしながら、「なぜミトコンドリアのようなオルガネラ」が細胞内ウイルス免疫の起点として選ばれたのか? この疑問に対する答えが今なお見つかっていない。本研究では、宿主細胞とミトコンドリア間の密接な繋がり(連携)による免疫応答に着目し、どのようにミトコンドリアが宿主機能をコントロールすることによりウイルス感染現象に立ち向かうのか、分子基盤を軸に明らかにすることを目的とした。 本年度は、 A型インフルエンザウイルスが感染した際の、宿主細胞内ミトコンドリアに与える影響について研究を行った。その中で、私たちはウイルスゲノム中にコードされているある遺伝子に着目した。PB1遺伝子は、RNAポリメラーゼの一部を翻訳産物として既定するが、その読み枠ずれにより生じるアミノ酸数約90個からなるタンパク質(PB1-F2)も発現することが報告されている。そこで、PB1-F2に対する抗体を作製し、その抗体を用いて、A型インフルエンザウイルス感染細胞、及びPB1-F2過剰発現細胞の免疫染色実験を行い、その発現タンパク質の細胞内局在を詳細に調べた。その結果、PB1-F2は非常に特異的にミトコンドリアに局在していることが示され、細胞分画を行った生化学実験によってもミトコンドリア局在を明らかにした。このミトコンドリア局在には、PB1-F2のC末端側領域が必須であることも細胞生物学的な実験により明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、その当初目的であるミトコンドリアとウイルスとの相互作用を理解するものであり、現時点において上述、非常に興味深い研究知見を得ている。これまでの実験により、次年度の明確な研究方針はたてられているために順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においても、本年度同様に計画通りに実験を進めていく。
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[Journal Article] A structural perspective of the MAVS-regulatory mechanism on the mitochondrial outer membrane using bioluminescence resonance energy transfer2013
Author(s)
Sasaki, O., Yoshizumi, T., Kuboyama, M., Ishihara, T., Suzuki, E., Kawabata, S., and *Koshiba, T.
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Journal Title
Biochim. Biophys. Acta - Mol. Cell Res.
Volume: 1833
Pages: 1017-1027
DOI
Peer Reviewed
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