2014 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス集団からの欠損ゲノム排除機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular basis of host cell competency in virus infection |
Project/Area Number |
25115518
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
石川 雅之 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, ユニット長 (70192482)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プラス鎖RNAウイルス / 進化 / 数理モデル / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
植物ウイルスは、原形質連絡を通って感染細胞から隣接非感染細胞に移行し、新たに感染を成立させることにより組織内で感染域を拡大する。このとき、感染を成立させるウイルスゲノム数の平均(MOI)が小さすぎれば感染の失敗が多くなる一方で、MOIが大きすぎれば自己増殖能力を失った変異ゲノム(欠損ゲノム)がウイルス集団内に蓄積し、いずれの場合も集団が絶滅しやすくなることが予想される。我々は、いくつかの植物ウイルスのMOIが4~6程度であることを見いだした。さらに、昨年度本研究で行ったシミュレーションによって、MOIが20程度以下のウイルスは、MOIが4~5程度になるように進化することが予想された。本年度はこの過程を定式化し、ウイルスにとって最適なMOIが欠損ゲノムの発生頻度をパラメータとする式で表現できることを明らかにした(本領域計画研究班、佐々木顕総合研究大学院大学教授と共同)。これまでに知られているウイルスの変異率を元に計算した場合、その値は5~10程度の範囲に収まった。このような進化が実際に起こるかを調べるため、MOIが約20であるトマトモザイクウイルス-ベンサミアナタバコの系でウイルスを長期間にわたり増殖させたが、残念ながらそのような変化は観察されなかった。また、これらの研究の基盤として、MOIが決まる過程を実験とシミュレーションにより検討し、細胞に侵入するウイルスゲノム数、複製複合体が形成される場の数、複製複合体形成確率、ゲノムRNA分解確率などをパラメータとして、確率的にMOIが決まる可能性を示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)