2013 Fiscal Year Annual Research Report
動作の学習のための動作情報保持の神経細胞・回路機構
Publicly Offered Research
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
25115709
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 賢治 東京大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (60446531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大脳皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質-大脳基底核-視床-大脳皮質ループが、価値・報酬の学習や、学習した価値に基づく意思決定・行動選択において大きな役割を果たしている可能性が示唆されてきた。大脳皮質前頭葉五層には、大脳基底核線条体に軸索を投射する錐体細胞として、錐体路および同側の線条体に軸索を伸ばすサブタイプ(Corticopontine / pyramidal tract cells, CPn/PT細胞)と、両側の線条体に投射するが錘体路には投射しない別のサブタイプ(Crossed corticostriatal cells, CCS細胞)が混在している。それら二つのサブタイプによって、樹状突起などの形態および発火特性が大きく異なることが明らかとなっている。そうした違いが、細胞の様々な入力に対する出力応答の様態・活動ダイナミクス、そして価値学習・価値に基づく意思決定などにおける機能にどのように関わりうるかを調べていくために、それら二つのサブタイプについて、樹状突起分枝を含む細胞形態の詳細なデータに基づく数理モデリングを遂行した。樹状突起各部の局所的な太さも活動ダイナミクスに少なからず影響を与えることが考えられたため、太さも含む詳細な再構成データに基づいて、NEURONシミュレータ(www.neuron.yale.edu/)を用いて二つのサブタイプのコンパートメントモデルを構築を進めた。また、以上と並行して、CS-TD仮説のヒトにおける実験的検証について、報酬・価値の学習を伴う課題のデザインおよび解析法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、大脳皮質から線条体に投射する異なるサブタイプの錐体細胞について形態データに基づくモデリングを進めることができるなど、概ね問題なく進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
形態データに基づいて構築した細胞モデルについて、生理データ(電流入力における発火応答など)と照らし合わせて、パラメータのチューニングを行った上で、様々な入力に対する応答などについて調べていく。また、検証実験について、課題デザイン・解析法の検討を進め、課題を開発して実験・解析を行っていく。
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Research Products
(5 results)