2014 Fiscal Year Annual Research Report
多様な皮質領野を統べる回路形成原理の探求
Publicly Offered Research
Project Area | Mesoscopic neurocircuitry: towards understanding of the functional and structural basis of brain information processing |
Project/Area Number |
25115710
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 琢真 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (40526224)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理論神経科学 / 情報量最大化 / リカレントネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は海馬における短期記憶の迅速な形成と運動野の持続発火活動の解明を目指して研究を行った。 海馬では場所細胞と呼ばれる部屋の中の特定の位置に動物がいるときに発火する細胞があることが知られている。この細胞は別の部屋では別の位置に応答する。場所細胞の選択性は部屋に入って数分で成立することが知られている。このような迅速な学習を可能にするのが何であるかを検討するために、次のような仮説を立てた。すなわち、場所細胞は素早く変化する入力に応じて入力の効率的な情報表現を行うと出現すると考えた。この考えに基づき、発火活動がリカレントネットワークの安定固定点によって決まるとして、入力に対して安定固定点ができるだけ鋭く変化するようにネットワークを構築し、場所細胞的な活動が出てくるかどうかを調べたところ、入力に対して複雑な非線形応答を出すが、場所細胞のような局在は示さないことがわかった。 運動野の細胞は課題を実行している最中に持続発火活動を出すことが知られている。持続活動や漸増・漸減活動を示す細胞は運動野の細胞のうちかなりの割合(数%から数十%)を占めており、一つの記憶を多数の細胞が担っているという意味できわめて冗長度が高い表現になっている。このような表現が出てくるのは、このような重複した表現を行う回路の出現確率が高いためだと考えた。つまり、何らかの学習則によって回路が特定の機能を果たせるように学習する場合、出現する回路は機能を実現しうる回路の中で多数を占める回路であると考えられる。このような回路では多数の細胞が同一の選択性を持つ。結合強度がランダムに与えられるとすると、回路の出現確率を結合強度の関数として表せる。回路の出現確率を目的関数とし、果たすべき機能を制約条件とした最適化問題を解いたところ、持続発火活動や漸増活動など、実験的に報告されている活動に類似した活動が出現することがわかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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