2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス性精神疾患における扁桃体外側核の役割の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling micro-endophenotypes of psychiatric disorders at the molecular, cellular and circuit levels. |
Project/Area Number |
25116508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森 寿 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (00239617)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ストレス / 扁桃体 / グルココルチコイド受容体 / コンディショナルノックアウト |
Research Abstract |
気分障害や不安障害等のストレスが関わる精神疾患の生涯有病率は、我が国では20%近くに達しており、国民の健康福祉や経済的観点から克服すべき課題のひとつである。ストレス性精神疾患の原因のひとつとして、扁桃体が担う情動制御の異常が示唆されている。我々は、ストレスホルモンのひとつであるグルココルチコイド受容体(GR)遺伝子を扁桃体外側核(LA)選択的に欠損させた (LA-GRcKO) マウス系統を作製した。本研究では、このマウスを用いて情動が関わる行動の評価を進め、異常の原因となっている分子動態変化や細胞構造の変化等を明らかにし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)をはじめとするストレス性の精神疾患や感情障害で見られる情動認知機能障害の分子機構ならびに責任神経回路を明らかにすることを目的として研究を実施する。 本年度は、LA-GRcKOマウスを用いて、情動記憶学習試験を行い、音と電気ショックの組み合わせによる恐怖条件付けの回数を増やすことにより、LA-GRcKOマウスでは野生型 (WT) コントロールマウスに比べ、恐怖記憶反応 (Freezing) が低下することと、LAでのCREBのリン酸化が低下することを見いだした。さらに、条件付け前のストレス負荷は、LA-GRcKOマウスでは Freezing の低下を引き起こした。これらの結果は、LAのGRが恐怖記憶の制御に重要であることを示唆している。また、このマウスの行動変化とGR遺伝子欠損の因果関係を明らかにするために、GR遺伝子欠損細胞で特異的にGR遺伝子を発現させるためのウィルスベクターの構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
独自に作製したLA-GRcKOマウスを用いて、情動記憶学習試験を行い、恐怖記憶反応の変化ならびにLAでのCREBのリン酸化低下、行動評価の前のストレスの影響等を見いだし、概ね予定通りに研究は進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、研究を推進する。
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Research Products
(2 results)