2014 Fiscal Year Annual Research Report
PACAP高発現マウスを用いたPTSD発症リスク個人差の神経基盤解析
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling micro-endophenotypes of psychiatric disorders at the molecular, cellular and circuit levels. |
Project/Area Number |
25116527
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小出 剛 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 准教授 (20221955)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ストレス脆弱性 / マウス / 遺伝学 / 遺伝子発現 / 不安様行動 / 神経ペプチド / コルチコステロン / モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
17番染色体遠位部位の狭い染色体領域を持つコンジェニック系統が高い情動反応を示すことを見出した。さらに解析を進めた結果、ストレス応答に関与する神経ペプチドPACAPをコードするAdcyap1遺伝子がその原因であると考えられた。この遺伝子が原因であることを示すために、発現解析などの分子遺伝学的解析を進め、さらにストレス応答ホルモンの定量などを進めることで、PACAPの高発現と高いストレス応答性が関連していることを示してきた。 私たちが同定したPACAP遺伝子はヒトにおけるPTSDのリスク遺伝子として知られている。我々が見出したPACAP高発現マウスは、視床下部におけるPACAPが増加することでストレスに対する応答性が亢進しており、それによりコルチコステロンも高い。この恒常的なストレス亢進状態がどのような他の遺伝子発現の変化をもたらすか解析を行うことで、PTSDのリスクに関わる分子機構を明らかにできると期待できる。 本研究では、野生マウス系統の示す高いストレス応答性の原因の一つとして、神経ペプチドPACAPの高発現が関与していることを明らかにした。このPACAP高発現はPTSDのリスクになることが報告されており、実際、PACAP高発現マウスは拘束ストレスに対して、高いコルチコステロン応答を示すことから、よりストレスに感受性が高いことが示された。このPACAPの高い遺伝子発現は、遺伝子イントロン中の2塩基配列の繰り返し回数の違いによって生じており、遺伝子多型による発現調節メカニズムの違いがこのストレス応答にかかわっていることを示した。これまで、PACAP高発現マウスは報告されておらず、今回見出したマウスおよびトランスジェニックにより新たに作出したマウス系統は、ヒトPTSDの脆弱性モデルになると考えられ、今後本モデル動物を用いた詳細な研究への道を開いた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] A male-specific QTL for social interaction behavior in mice mapped with automated pattern detection by a hidden Markov model incorporated into newly developed freeware2014
Author(s)
Arakawa T, Tanave A, Ikeuchi S, Takahashi A, Kakihara S, Kimura S, Sugimoto H, Asada N, Shiroishi T, Tomihara K, Tsuchiya T, Koide T
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Journal Title
Journal of Neuroscience Methods
Volume: 234
Pages: 127-134
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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