2013 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実環境下の機能イメージングによる精神・発達障害の微小回路病態の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling micro-endophenotypes of psychiatric disorders at the molecular, cellular and circuit levels. |
Project/Area Number |
25116528
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 正晃 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (90518325)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / バーチャルリアリティ / カルシウムイメージング / 海馬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、精神発達障害モデルマウスでのイメージング研究に用いることのできる、バーチャルリアリティ下での新たな仮想空間学習課題の開発を行うことを目的とした。この課題において、頭部固定されたマウスは仮想直線路の途中に設定された標的地点で報酬を得る試行を繰り返し行う。訓練の最初の非遅延課題では、マウスは標的地点を通過しただけで少量の水の報酬が得られるが、続く遅延課題では、マウスは周囲に配置された視覚的手がかりから標的地点の場所を認識し、そこに一定の遅延時間(約1.5~2秒間)留まることにより報酬を得ることができる。本年度の実験により、マウスは主に標的地点周囲の局所的な場所手がかりを使って、標的地点を認識し記憶していること、またAMPA/カイニン酸型グルタミン酸受容体アンタゴニストCNQXの両側海馬CA1野への微量注入によって、遅延課題の成績が劇的かつ可逆的低下したことから、遅延課題の遂行には海馬CA1野の興奮性シナプス活動が必要とすることを明らかにした。さらに仮想直線路の上の標的地点をスタート地点からより遠くまたは近くに移動させたときも、マウスは新しい標的地点を2、3セッションの内に速やかに学習できることを明らかにした。海馬依存的な仮想空間学習の要素を含むこの行動実験課題は、精神発達障害の機能回路病態を明らかにするためのin vivoイメージング研究に極めて有用な課題であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自閉症モデルマウスの一つであるShank2ノックアウトマウスを用いた今後のイメージング研究の基礎となる行動課題を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはShank2ノックアウトマウスを用いた行動実験を行い、野生型マウスと比べて非遅延課題および遅延課題の成績に差があるかどうか調べる。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Hippocampal CA1 network dynamics during locomotion in virtual reality2013
Author(s)
Masaaki Sato, Kotaro Mizuta, Masako Kawano, Takashi Takekawa, Tanvir Islam, Hiroshi Yamakawa, Yoko Yamaguchi, Tomoki Fukai, Masamichi Ohkura, Junichi Nakai, Yasunori Hayashi.
Organizer
Society for Neuroscience 43rd annual meeting
Place of Presentation
米国サンディエゴ
Year and Date
2013-11-13
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