2014 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実環境下の機能イメージングによる精神・発達障害の微小回路病態の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Unraveling micro-endophenotypes of psychiatric disorders at the molecular, cellular and circuit levels. |
Project/Area Number |
25116528
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐藤 正晃 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 客員研究員 (90518325)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / バーチャルリアリティ / カルシウムイメージング / 海馬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はShank2ノックアウトマウスを用いて、前年度に確立したバーチャルリアリティ環境下の仮想空間学習課題における行動実験とカルシウムイメージングを行うことを目的とした。Shank2は興奮性シナプスのシナプス後肥厚部に存在するタンパク質複合体に含まれる足場タンパク質の一つであり、ヒトの自閉症家系におけるその変異の存在が報告されている。またShank2ノックアウトマウスが行動レベルにおいてはヒト自閉症に似た社会性の低下を示し、シナプスレベルではNMDA受容体機能の低下を示すことなどが既に報告されている。本年度の研究でShank2ノックアウトマウスの仮想空間学習課題の成績を評価したところ、仮想空間での場所認識を必要としない非遅延課題では野生型と有意な行動の差がなかったが、視覚的手がかりを用いて標的地点に遅延時間の間滞在することで報酬が得られる遅延課題においては、野生型に比べ標的地点における滞在時間が有意に低下した。また、仮想直線路上の標的地点を移動させて行う再学習訓練においても、Shank2ノックアウトマウスは野生型に比べ、新しい標的地点における滞在時間が有意に低下していた。このことは、Shank2ノックアウトマウスにおいて空間学習と再学習が障害されていることを示しており、自閉症に見られる学習障害や、特定の行動に固執する傾向との類似を示唆するものであった。その後、この行動課題を遂行しているShank2ノックアウトマウスの海馬神経回路活動のカルシウムイメージングを行った。今後は取得したイメージングデータの定量的な解析を行う予定である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)