2014 Fiscal Year Annual Research Report
脂質シグナリングの構造基盤
Publicly Offered Research
Project Area | Machineries of bioactive lipids in homeostasis and diseases |
Project/Area Number |
25116705
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濡木 理 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10272460)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / アレルギー / タンパク質 / 薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
オートタキシン(ATX)の阻害剤を立体構造に基づき設計・改良を行い,大手製薬会社と共同開発を進める一方で,肺線維症に著効を示すアプタマーとATXの複合体構造に基づき,その阻害機構を解明し,またLPA6に関しては,3.4Å分解能の反射を示す結晶の作成に成功した. また,LPC(リゾホスファチジルコリン)やグリセロホスホコリンを分解することでホスホコリンを産生し,脳や肝臓や腎臓にコリンを供給するEnpp6と,ホスホコリンとの複合体の結晶構造を1.8Åの分解能で決定した.結晶構造から,Enpp6がホスホコリンのコリン部分を4つのチロシン残基を含むコリン結合ポケット構造によって認識することを明らかにした.コリン結合ポケットを構成するアミノ酸残基は哺乳類から魚類までのEnpp6で保存されていたことから,Enpp6が種を超えてホスホコリンを認識することが強く示唆された.Enpp6はATXと同じEnppファミリーに属するが,ATXはLPCからリゾホスファチジン酸(LPA)を産生する一方で,Enpp6はLPCからホスホコリンを産生する.ATXとEnpp6はそれぞれの結晶構造において,ポケット構造を用いてそれぞれの加水分解産物であるLPAあるいはホスホコリンを認識していた.このことから,Enppファミリータンパク質の活性部位の立体構造の違いがそれぞれの基質認識機構の違い,および生理機能の違いを生み出すことが示唆された.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)