2014 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の新規移動様式の分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
25117507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
垣内 力 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60420238)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コロニースプレッディング / 毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄色ブドウ球菌の軟寒天培地表面での広がり(コロニースプレッディング)を決定する分子基盤の解明を試みた。フェノール溶解性毒素アルファとデルタ(以下、アルファとデルタ)は黄色ブドウ球菌が分泌する毒素であり、哺乳類細胞に対する溶解活性を有する。我々は以前に、アルファ欠損株がコロニースプレッディング能を低下する一方で、デルタ欠損株はコロニースプレッディング能を上昇することを明らかにした。本研究において我々は、これらの毒素のコロニースプレッディングにおける機能の違いを明らかにした。 (1) アルファとデルタは黄色ブドウ球菌の菌体表層に見出された。培養上清中では、アルファに比べてデルタの量が多かったが、菌体表層では、アルファとデルタの量は同程度であった。 (2) アルファの欠損株においては、菌体表層のデルタの量は変化しなかった。 一方、デルタ欠損株においては、菌体表層に結合するアルファの量が増加し、培養上清のアルファの量が減少していた。 (3) 菌体表層のアルファ量が変化する遺伝子欠損株を探索した。その結果、培養上清のアルファ量は変化しないが、菌体表層のアルファ量が減少する遺伝子欠損株が見出された。この株においては、コロニースプレッディング能力の減弱が見出された。 以上の結果は、黄色ブドウ球菌の細胞表層のアルファがコロニースプレッディングに必要であること、並びに、デルタが菌体表層のアルファの結合量を減少させていることを示唆している。本研究は、細菌毒素が菌体表層に結合し、細菌の移動能力を制御するという新しい概念を提示する。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)