2014 Fiscal Year Annual Research Report
アクチンの構造多型性・協同性・応答特性の分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
25117525
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高野 光則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40313168)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アクチン / 構造多型性 / 分子動力学計算 / アロステリー |
Outline of Annual Research Achievements |
アクチンが主役の運動超分子マシナリーの運動機構と制御機構の物理メカニズムを分子動力学計算による構造・エネルギー・ダイナミクスの三位一体の立場から研究した。まず、マシナリーの基本となるアクチンモノマーの物性解析を行った。長時間の全原子MD計算データを用いた高い統計精度での解析により、モノマーが複数の準安定状態(多型性)をもつこと、準安定状態の分布がアクチンに結合しているヌクレオチド状態によって制御されていること(ATP結合状態とADP結合状態で分布が異なること)が分かった。アクチンモノマーのこれらの基本物性によってフィラメントのプラス端(ATP結合状態)とマイナス端(ADP結合状態)との間に違いが生じ、この違いによってフィラメントのマイナス端の方がエネルギー的により不安定になることが分かった。この結果はアクチンフィラメントのトレッドミル運動の物理メカニズムそのものに関わる重要性をもつ。つぎに、モノマー構造状態のヌクレオチド依存性の背後にある物理メカニズム(アロステリック機構)の研究を進めた。分子内の静電相互作用ネットワーク、および力伝搬ネットワークの解析を行った結果、ATP状態からADP状態への変化にともない、分子内のネットワークが大きく変化すること、それによってヌクレオチド依存的な構造状態変化をもたらされることが分かった。モノマーの基本物性として、コフィリン結合を協同的に阻害するG146V 変異体の解析を行ったところ、変異部位から40Åも離れた領域の揺らぎが変化することが見いだされた。こららの研究結果を基盤として、アクチンフィラメントに外力を付加したときの応答特性の解析、アクチンとアクチン結合蛋白質(一例としてミオシン)と結合エネルギー解析を行った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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