2013 Fiscal Year Annual Research Report
線虫精子のアメーバ運動メカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
25117527
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
島袋 勝弥 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70618446)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | MSP / 精子 / 細胞骨格 / AFM |
Research Abstract |
線虫精子は、MSP(Major Sperm Protein)と呼ばれる独自の細胞骨格タンパク質を用いてアメーバ運動を行う。線虫精子にはアクチンやミオシンなどのよく知られた細胞骨格タンパク質は存在せず、細胞の動きはMSPを中心とした一連のタンパク質(MSPマシナリーと呼ぶ)によって生み出されるが、その分子機構はまだ謎に包まれている。 MSPマシナリーは、MSP線維メッシュワークからなる構造体である。そのため、その分子機構を理解するには、構成単位であるMSP線維の構造やダイナミクスを明らかにしなければならない。これまでの電子顕微鏡の結果から、MSP線維の平均長は1 m以下であり、光学顕微鏡での観察には不可能であった。そこで本年度は、当初の計画通り、nmオーダで構造解析が可能な高速AFMによるMSP線維の直接観察を試みた。 実験手順として、まずアミノシランで表面を修飾した雲母片の上に、5 %の細胞破砕液(1 mM ATP, 1 mM バナジン酸ナトリウム)を滴下し、数分間静置させ、MSP線維を雲母表面に吸着させた。その後、基板表面を1 m×1 mの領域で走査していき、線維状の構造が観察されるか検証した。その結果、一視野に約5本程度の線維状の構造体が観察された。今回観察した合計245本の線維の長さと高さ(太さ)の測定を行ったところ、それぞれ205 nm、9.2 nmとなった。これまで、MSP線維の太さは11 nmだと報告されており、今回の結果は妥当な数字だと考えられた。一方長さの方は、同様な方法で作成した電子顕微鏡画像から、477 nm(212本)となり、AFMの結果と多少の違いが見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、本年度は高速AFMによるMSP線維の直接観察に成功している。解析の結果得られたMSP線維の長さ、太さともに妥当な値であったことの意義は大きい。今後は単一MSP線維のダイナミクスを観察するために、様々なヌクレオチド条件でのMSP線維の振る舞いを追う。またAFMでは単なる計測ではなく、観察物を操作することもできる。このマニプレーション技術を応用して、MSP線維の物性なども検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
高速AFMによるMSP線維の観察が進展しているので、今後は、1線維レベルでのダイナミクスの解析を進める。そのために、様々なヌクレオチド条件下でMSP線維の線維の観察を続けていく。それに加えて、当初の計画通りに、平成26年度は、MSPメッシュワーク内でのMSP線維の楮構造解析も、偏光顕微鏡や急速凍結電子顕微鏡法をもちいて行っていく。
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Research Products
(5 results)