2013 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリア細胞骨格タンパク質複合体の構築と制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Harmonized supramolecular machinery for motility and its diversity |
Project/Area Number |
25117528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
塩見 大輔 立教大学, 理学部, 准教授 (70507532)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大腸菌 / 好熱菌 / 形態 / タンパク質間相互作用 / 再構成系 |
Research Abstract |
大腸菌のような桿菌の形態を正しく形成するためには、細胞の短軸方向に沿って回転運動をするバクテリアアクチンMreBが必須である。MreBの重合を含めた機能発現にはその制御因子であるRodZが重要な役割を果たす。そこで、この形態形成に重要な回転する超分子複合体の機能や運動のメカニズムを明らかにするために、再構成系の構築を始めた。 好熱菌Thermotoga martimaからMreBおよびRodZを精製した。MreBをAlexa488で標識し、これをリポソームに封入した。予備実験の段階ではあるが、MreBは膜に取り込まれた。そして、リポソーム内で膜全体に広がるもの、クラスターを形成するものが観察された。またRodZも同時に封入した場合、フィラメント様の構造も観察された。 また、生体内でこの複合体を構成するタンパク質間相互作用を解析する光架橋実験系を立ち上げた。この実験系により、RodZタンパク質はペリプラズム領域で複数のタンパク質と相互作用することが明らかとなった。このようなタンパク質間相互作用と複合体の動態の関係の解析は今後の課題である。 RodZタンパク質の解析も行った。膜タンパク質であるRodZは、膜直下に正電荷を持つアミノ酸を多く持つ。この領域にある正電荷をもつアミノ酸全てをアラニンに置換したが、RodZの機能に影響しなかった。したがって、正電荷は機能に関係しない。また、この領域をMalFタンパク質の細胞質領域と置き換えた。その結果、この領域のアミノ酸配列が必要なのではなく、領域の長さが必要であることが分かった。したがって、ある程度の長さを必要とするリンカーのような役割をしていることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記した平成25年度の計画の各項目に関して、ほぼ順調に実験が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記した平成26年度の計画の各項目を推進する。特に、リポソームを使った再構成系の実験及び生体内でのタンパク質間相互作用を調べる光架橋実験を重点的に進め、細胞形態形成に必要な超分子複合体の運動制御機構の解明に近づきたい。
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Research Products
(5 results)