2014 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病におけるp53の翻訳後修飾の関与
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
25117721
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
甲斐 広文 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 教授 (30194658)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | p53 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん抑制遺伝子として知られるp53はユビキタスに発現する転写因子であり,多様な標的遺伝子発現制御を担うことで種々の外部刺激に対する細胞応答を誘導し,生体組織の恒常性維持に重要である.興味深いことに,ASマウスにおいて,病態進行に従い糸球体におけるp53タンパク質発現が低下していることが示された.そこで全身性p53欠損ASマウス (p53+/- or -/- AS) を作成し,p53+/+ ASマウスと病態を比較した結果,p53欠損によってタンパク尿,腎炎,腎線維化病態が顕著に促進されることが見出された.また,p53欠損によりASマウス糸球体における細胞性半月体形成が促進されたことから,podocyte増殖に関与することが示唆されたため,p53のpodocyteにおける機能を調べた. マウスポドサイト細胞株,初代培養糸球体上皮細胞を用いた検討の結果,p53はpodocyteの増殖・遊走を抑制し,またNephrinやPodocinなどのpodocyte機能遺伝子発現を正に制御し得ることが示された.そこでCRE-loxPシステムによりpodocyte特異的p53欠損ASマウスを作成し,病態を比較した結果,podocyte特異的p53欠損によってもAS病態が増悪すること,podocyteの増殖,足場構造の破綻,糸球体レベルでの遺伝子発現パターンの変化が生じることが示された.本結果より,podocyteにおけるp53がAS腎病態抑制的に働くことが示された. (本研究内容は腎臓学のトップジャーナルであるJASNに本年3月に受理された。)
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Remarks |
遺伝子機能応用学研究室 http://molmed730.org/index.html
|
Research Products
(11 results)