2013 Fiscal Year Annual Research Report
TRAF6複合体によるシグナル伝達の構造学的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Regulation of signal transduction by post-translational modifications and its pathogenic dysregulation |
Project/Area Number |
25117722
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中村 照也 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (40433015)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 構造生物学 |
Research Abstract |
シグナル分子と受容体の結合によって引き起こされる細胞内シグナル伝達は,個体の恒常性に関わる生命現象を制御しており,ヒトにおけるその異常は様々な疾患の原因となる.本研究対象のTRAF6は,TNFR系のみならずTLR/IL-1R系にも関与するユニークなシグナル分子で,TRAF6の異常は,リウマチや骨粗しょう症などの疾患と密接に関与することが報告されている.本研究では,TRAF6およびその相互作用因子であるTRAF6BPについてX線結晶構造解析を行う.TRAF6およびTRAF6BPの結晶構造から,TRAF6を中心としたシグナル伝達機構を原子レベルで解明する. 本年度は,TRAF6BPの結晶構造解析を行った.野生型TRAF6BP について, 2.6 A分解能で構造精密化を完了した.また,シグナルON時の状態を反映した結晶構造を決定するために作成した変異型TRAF6BPについても2.9 A分解能で構造精密化を行った.これらの構造から,TRAF6BPの会合様式および会合に重要な役割を果たすアミノ酸残基の相互作用を明らかにした.また,TRAF6の負の制御因子であるTRAF6BPホモログについては発現系の構築を完了し,大量調製を行っている.TRAF6Δ (TRAF6のTRAF6BP結合領域)-TRAF6BP複合体については,結晶化条件の検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生型および変異型TRAF6BPの構造精密化を行い,TRAF6BPの会合に関する構造学的知見を得た.その他については,構造解析に向けた結晶化スクリーニングを進めており,研究は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き,1) TRAF6BP変異体,2) TRAF6BPホモログ,3) TRAF6Δ-TRAF6BP複合体のX線結晶構造解析を行う.TRAF6BP変異体については,他の種類の変異体の構造解析を行い,より精度の高いシグナルON時のTRAF6BPの構造を明らかにする.TRAF6BPホモログについては大量調製系の構築から,TRAF6Δ-TRAF6BP複合体については結晶化スクリーニングから進めていき,構造解析を行う.またX線小角散乱も取り入れ,それぞれの溶液中の会合状態も明らかにしていく.
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Research Products
(3 results)