2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規高感度レポーター系を用いたrRNA遺伝子の種特異的転写開始機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Integral understanding of the mechanism of transcription cycle through quantitative, high-resolution approaches |
Project/Area Number |
25118504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村野 健作 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80535295)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2015-03-31
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Keywords | 転写 / RNAポリメラーゼI / 種特異性 / rRNA遺伝子 |
Research Abstract |
インフルエンザウイルス由来のRNA依存性RNA polymerase(RdR Pol)を用いて、ヒトRNA polymerase I(Pol I)の活性を測定する新規PolIレポーター系の構築を行った。Pol Iレポーター系は、1,血清濃度依存性、2,転写因子UBFに対する応答性、3, アクチノマイシンDに対する感受性を示した。また既知の変異を保持するPol I promoter変異体ではレポーター活性が有意に減少した。ヒトrRNA遺伝子のpromoterを、マウスのものに置換することでマウスPol Iレポーター系も構築した。Pol IによるrRNA遺伝子の転写反応は厳格な種特異性を示す。すなわちヒトrRNA遺伝子はマウス細胞内で転写されない。構築した新規ヒトPol Iレポーター系は、ヒトの細胞であるHeLa細胞で機能し、マウスNIH3T3細胞では機能しなかった。逆にマウスPol Iレポーター系はNIH3T3細胞で機能し、HeLa細胞で機能しなかった。したがって、RdR Polをもちいた新規Pol Iレポーター系は、rRNA遺伝子に特徴的な種特異的転写反応を再現できた。 構築したヒトPol Iレポーター系を用いて、マウスNIH3T3細胞内でヒトSL1活性の再構築を行った。ヒトSL1を構成する4種類のTAFIをクローニングし、NIH3T3細胞にヒトPol Iレポーター系とともに導入したところ、ヒトrRNA遺伝子プロモーターからの転写反応を検出した。さらに詳細な解析の結果、マウス細胞内においてヒトrRNA遺伝子の転写反応を引き起こすには4種類のTAFIが必要十分であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画した研究内容をほぼ計画通り遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に計画した以下の研究を進める。 1, ヒトHeLa細胞内でマウスTIF-IB活性の再構築を目指す。 2, 大腸菌やバキュロウイルスを用いて、SL1構成因子の組換えタンパク質を作製し、試験管内においてSL1活性の再構築を目指す。
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