2013 Fiscal Year Annual Research Report
核スペックルとESR1遺伝子座の協調による転写調節
Publicly Offered Research
Project Area | Integral understanding of the mechanism of transcription cycle through quantitative, high-resolution approaches |
Project/Area Number |
25118519
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
斉藤 典子 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (40398235)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 細胞核内構造体 / 転写 / ESR1 / エピジェネティクス / 核スペックル / ncRNA |
Research Abstract |
遺伝子の適切な発現は、発生・分化・再生をはじめ、あらゆる生命活動に重要でその破綻は疾患に関連する。本研究では、転写の開始前、開始、伸長、の転写サイクル内の段階が、細胞核内の3次元空間でどのように構築されているかを明らかにすることを目指した。具体的には、乳がん細胞をホルモン枯渇下で培養することによって転写活性となる、エストロゲン受容体遺伝子座(ESR1)に着目した。 乳がん細胞MCF7細胞を長期にわたって、エストロゲン非存在下で培養すると、細胞の増殖に関わる核内受容体のESR1遺伝子の転写が活性化し、細胞がエストロゲン高感受性となり、低濃度のエストロゲンの存在下でも増殖可能となる。この過程でのESR1遺伝子座の核内空間での転写様式を調べた。ホルモン枯渇処理細胞のESR1遺伝子座をFISH (fluorescence in situ hybridization) により可視化した実験などより、ESR1遺伝子座内とその付近より新規非コードRNA(ncRNA)が産生されていることを見いだした。また、このncRNAがESR1mRNAの転写活性維持に重要であること、エストロゲン枯渇乳がん細胞株および乳がん患者組織において、核内でクラウドとよばれる分布を示していることを見いだした。このncRNAクラウドと、既知の核スペックルやPMLボディー、核小体などとの相互作用は明らかではなかったが、ESR1遺伝子座上で転写活性に関わる因子をリクルートしたり、染色体の高次構造の構築にかかわるなどの可能性が示唆された。また、ESR1と協調的に転写活性化される遺伝子群のゲノムワイドな解析と、これらのプロファイリング解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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