2014 Fiscal Year Annual Research Report
計算科学シミュレーションによるCTDの構造特性から探る転写調節機構
Publicly Offered Research
Project Area | Integral understanding of the mechanism of transcription cycle through quantitative, high-resolution approaches |
Project/Area Number |
25118521
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
米澤 康滋 近畿大学, 先端技術総合研究所, 教授 (40248753)
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Project Period (FY) |
2013-06-28 – 2015-03-31
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Keywords | RNAポリメラーゼ / 分子シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / CTD領域 / リン酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNAポリメラーゼの最大サブユニットRpb1のC末端領域(CTD)は52回リピート(ヒト)するコンセンサス配列(YSPTSPS)がダイナミックなリン酸化修飾を受け、転写の開始、伸長と終結に関わる様々な因子をリクルートして転写過程に関わる。しかしその分子構造レベルの転写因子認識機構は未だ解明されていない。CTD分子構造レベルの知見は転写サイクルの統一的理解を飛躍的に進展させる可能性があり、その解明が求められている。本研究では、拡張アンサンブル法の一種であるマルチカノニカル分子動力学(McMD)法を活用してCTDの構造特性を詳細に研究した。McMDは温度を反応座標として有効ポテンシャルの構築によって構造探索能力を著しく向上させる手法であり、CTDのようなフレキシブルな構造を持つ分子の構造分布探索研究に必須の手法である。
これまでの研究成果として 1) CTDのMcMDシミュレーションを実施した。その解析結果から、リピート配列中の2,5,7番目のセリン残基のリン酸化によって局所的なベータ構造が誘起されて、結合因子のリクルートを制御する事を明らかにし、さらに 2) CTD配列でセリン残基に続くプロリンのシス状態への異性化が局所的なベータ構造形成を強く抑制してCTD転写制御に関わる事を明らかにして、Pin1等のプロリン異性化酵素がCTDを介して転写制御に関わる事(リン酸化と異性化のクロストーク)を示し、成果を論文発表する(J.PhysChem.B 2014)等の研究成果をあげることができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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