2013 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞の異系列分化と造血器疾患との関連
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
25118715
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片山 義雄 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80397885)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 骨髄線維症 |
Research Abstract |
ビタミンD刺激による造血幹細胞の骨芽細胞系列への異常分化増殖が骨髄線維症における骨髄変化の本質である可能性を追求し、この骨髄移植しか根治治療のない疾患に対する骨代謝に注目した新たな治療法開発の礎とすることを研究の目的としている。現在までのところ、骨髄移植後骨髄微小環境内で高濃度ビタミンDに曝された造血幹細胞が骨髄線維症を惹起する細胞に分化するモデルを確立している。この細胞がalphaSMA陽性の異常なマクロファージであることが当該年度の研究で明らかとなった。また、異常なマクロファージは遺伝子異常を起点とする骨髄線維症モデル JAK2 V617Fトランスジェニックマウスでも存在することを明らかにした。現在のところ、この細胞が環境側の骨芽細胞系列の細胞の異常増殖を促進し、ドライブされた骨芽細胞からコラーゲン線維が大量に産生され線維症を発症する可能性を捉えるにいたっている。また、ビタミンDに関しては、ビタミンD受容体欠損マウスに野生型骨髄を移植するモデルにおいて、低ビタミンD食で飼育することにより線維症発症を抑制できることの確認を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究により、骨髄移植によって造血幹細胞から分化して骨髄線維症を惹起する細胞の本体が以上マクロファージであることが明らかとなり、その病態把握の全体像が可能となたこと、次年度での治療標的としての対象細胞が定まったことから、当初の予定通りの進捗と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に捉えた骨髄線維症発症のトリガーとなる異常マクロファージが、どのように骨硬化を起こす骨芽細胞を増勢させるのかについて、免疫染色を用いて増殖因子や細胞間コンタクトなどを詳細に観察する。また、ビタミンDがいかにして造血幹細胞を異常マクロファージに分化させるのかについて、未分化造血細胞株FDCP-mix を用いて特に細胞内シグナル経路も含め検討する。更に低ビタミンD食などにてJAK2V617Fトランスジェニックマウスの病態を改善させるなどビタミンDシグナルを標的として治療戦略を策定する。
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[Presentation] aSMA macrophages skewed from hematopoietic stem cells by vitamin D3 initiate myelofibrosis and subsequent osteosclerosis2013
Author(s)
Wakahashi K, Minagawa K, Asada N, Kawano Y, Sato M, Kawano H, Sada A, Kato S, Shide K, Shimoda K, Matsui T, Katayama Y
Organizer
55th American Society of Hematology Annual Meeting and Wxposition
Place of Presentation
ニューオリンズ、米国
Year and Date
20131209-20131209