2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄球系細胞の系列転換における「遷移細胞」の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms of cell fate determination in the cells that undergo stepwise differentiation to multiple pathways |
Project/Area Number |
25118722
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大根田 絹子 高崎健康福祉大学, 薬学部, 教授 (50323291)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞分化 / 転写因子 / マスト細胞 / 遺伝子発現制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、以前、マウス骨髄マスト細胞は、GATA2欠失によりマスト細胞の分化形質を失い未分化な形態を示すことを見いだした。このGATA2欠失細胞は、正常な血球分化の過程にはみられない不安定な「遷移状態」にあると考えられた。本研究は、この細胞を解析し、骨髄球系細胞の細胞系列転換機構を明らかにすることを目的として行った。研究結果の概要は、以下のとおりである。 GATA2欠失細胞は、マスト細胞にはほとんど発現していないC/EBPαを高発現しており、培養条件によってマクロファージや好中球様の細胞に系列転換した。一方、好塩基球や好酸球には分化しなかったが、一部の好塩基球特異的な遺伝子群の発現が増加していた。野生型BMMCにC/EBPαを過剰発現させると、C/EBPα の発現量依存的にGATA2mRNAの発現量が低下し、GATA2欠失細胞の表現型が一部再現された。GATA2とC/EBPαを同時に欠失させると、マクロファージや好中球に発現する遺伝子の発現増加は見られなくなったが、マスト細胞特異的な遺伝子の発現低下は観察された。BMMCとは異なり、腹腔細胞由来の培養マスト細胞(PMC)では、GATA2を欠失させてもC/EBPαの増加は見られなかった。これらの結果から、BMMCにおいて、GATA2とC/EBPαはお互いの発現を抑制している可能性が示唆された。GATA2欠失BMMCが正常な好塩基球に系列転換できなかったことから、好塩基球への分化にはGATA2が必要であると考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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