2013 Fiscal Year Annual Research Report
新生児運動非接触計測法とGeneral Movements診断支援システムの開発
Publicly Offered Research
Project Area | Constructive Developmental Science; Revealing the Principles of Development from Fetal Period and Systematic Understanding of Developmental Disorders |
Project/Area Number |
25119506
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
辻 敏夫 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90179995)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 新生児運動 / General Movements / 非接触計測法 / ニューラルネット / マーカーレスモニタリング / 発達障害 |
Research Abstract |
本年度はまず,新生児運動非接触計測法とGeneral Movements(GMs)評価システムについて検討を行なった.提案システムは1台のビデオカメラを新生児上部に設置し,運動を非接触に計測する.計測した動画像に画像処理を施すことで運動の大きさ・速さや重心変動などの特徴量を抽出し,抽出した特徴量から医学的知見を基に運動量や運動のバランス,リズムなど25 個の評価指標を定義することで,新生児の運動を定量的かつ客観的に把握可能とした.さらに,これまでに開発してきたフィードフォワード型の確率ニューラルネットの一種であるlog-linearized Gaussian Mixture Network (LLGMN)を用いて学習・評価することで,児の運動が学習した各GMsのどれに属するかを事後確率として出力可能とし,抽出した特徴量,評価指標とともにGMs評価結果をグラフィカルに提示可能なGMs評価システムのプロトタイプを開発した.提案システムを用い,1名の新生児を対象に運動の計測・評価実験を行なったところ,システムの評価結果とGMs評価ライセンスを有する専門家の評価結果がおおよそ一致することを示した[第46回日本人間工学会中国・四国支部大会,2013]. 一方,注意欠陥・多動性障害(AD/HD)と広汎性発達障害(PDD)の関係性を明らかにするために神経心理学的知見からそれらの共通点・相違点を調査するとともに[Acta Med Okayama, 2013],児の身体的・精神的発達と種々の要因の相互関係を多面的に評価した.早期出産・低出生体重児群と正期産・相当体重児群を比較することで,早期出産・低出生体重児群では児の成長・運動スキルに関するスコアが正期産・相当体重児群と比較して有意に低く,また,正期産・相当体重児群において,初産の児は運動スキル・社交性に関するスコアが高いことなどを明らかにした[Environ Health Prev Med, 2014].
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新生児の運動を非接触に計測し,運動量や運動バランスなどの特徴量や医学的知見に基づく評価指標を抽出するのみならず,General Movements(GMs)に基づく運動の自動識別が可能なシステムのプロトタイプを開発した点.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず異常な GMs の評価を可能とするために新たなインデックスを定義し,多数の被験児を対象とした計測実験を通して異常 GMs 評価の可能性を検討する.そして,画像情報とともに深度情報を計測可能なセンサを用い,新生児の 3 次元的な運動を計測することにより GMs 評価の精度向上を目指す.また,統計構造を内包したニューラルネットを改良して確率的な評価を実施するとともに,プレチスモグラムやこれまでに開発してきたエアパックセンサを用いて脈波を同時計測し,自律神経活動を評価することで GMs と自律神経活動の関連性を検証する.
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Research Products
(7 results)