2014 Fiscal Year Annual Research Report
イネのOsHKT1依存の葉身内Na+濃度制御による塩抵抗性の分子機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis of strategies for plant survival and growth in response to global environmental changes |
Project/Area Number |
25119709
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
堀江 智明 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (90591181)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 耐塩性 / ナトリウム輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネのNa+輸送体であるOsHKT1;4, OsHKT1;5の塩ストレス下における個々の分子生理機能と塩抵抗性への貢献度を調査する事を試み、以下に列挙する成果を得た: (1)二つの独立した研究機関の隔離温室を使用し、OsHKT1;4遺伝子発現抑制イネ株(RNAi株)の塩ストレス下における表現型の再現性を調査した。生殖生長期のRNAi株は、野生型の日本晴に比べ、地上部にNa+を高蓄積する事が認められ、特に止葉葉身においては3-4倍のNa+を有意に高蓄積した。穂へも、野生型に比べ15%程度のNa+蓄積量の増加が見られたが、著しい収量の現象が観察された昨年度の結果は再現されなかった。しかしながら、OsHKT1;4遺伝子は、生殖生長期のイネの茎や止葉葉鞘で強く発現し、穂首節間や第一節では塩による発現誘導も認められた事から、これまでの成果も総合し、OsHKT1;4輸送体は、生殖成長期のイネのNa+高蓄積回避機構の重要な一端に担っているものと結論付けられた。 (2)OsHKT1;5遺伝子のプロモーターにT-DNAが挿入された発現減少変異イネ株の塩ストレス下における表現型の精査を行った所、減少株においては、野生型に比べ根の発現がほぼ抑制されているものの、地上部、特に葉鞘での発現は逆に顕著に増加しており、葉鞘へNa+を高蓄積させている事が判明した。遺伝子破壊株も含め、22Na+を用いたRI-imaging解析を行った結果、OsHKT1;5は、根の導管からのNa+の排除に加えて、葉鞘においても、葉身へのNa+流入を防ぐために導管からのNa+積み下ろしに貢献している事を証明した。これまでの成果と合わせ、OsHKT1;5の塩ストレス下における新規生理機能を明らかにする事ができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)