2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境シグナルを統合制御する新規転写因子VOZに関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Integrated analysis of strategies for plant survival and growth in response to global environmental changes |
Project/Area Number |
25119720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20283575)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 転写因子 / ストレス応答 / シロイヌナズナ / 病理応答 |
Research Abstract |
VOZ(VASCULAR PLANT ONE-ZINC FINGER)1/2は,シロイヌナズナ液胞膜に存在するH+ポンプAVP1遺伝子のプロモーター領域に結合する因子として単離された。 VOZ は,ヒメツリガネゴケから被子植物まで高度に保存されているタンパク質で,in vitroにおいてGCGTNx7ACGC配列に結合し,転写活性化能を持つことから,陸上植物の生存に非常に重要な転写因子であることが予想された。我々は,voz1voz2二重変異体は,非生物学的ストレスと生物学ストレスに対する応答を制御する転写因子であることを明らかにしている。今回,公開されているマイクロアレイデータを再精査したところ,VOZ1, VOZ2ともに登熟時の種子で発現が大幅に上昇していることが明らかになった。そこでシロイヌナズナvoz1voz2二重変異体と野生型株の種子を比較したところ,野生型株と比較して,細長く,更に種皮の色が薄くなっていた。発芽率を比較したところ,MS培地にショ糖を添加した状態では,発芽率に差はないものの,ショ糖を添加していないMS培地では,voz1voz2は,発芽直後の成長が著しく阻害されていた。voz1voz2種子では,2S アルブミン含有量が,大幅に減少しており,ショ糖がない条件での発芽直後の成長阻害は,登熟時の種子貯蔵タンパク質の発現の減少によるものであることが示唆された。 また,アルファスクリーニング法によりVOZ1/2と相互作用するE3リガーゼの探索を行い。VOZ1/2に相互作用する可能性のある複数のE3ユビキチンリガーゼを同定した。更に,それらのうち,COP1について,cop1-4変異体を用いた解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルファスクリーニング法によるVOZ1/2と相互作用するE3ユビキチンリガーゼの探索。種子登熟時のVOZ1/2による2Sアルブミンの発現調節現象の解析。COP1によるVOZ2タンパク質の光周期依存的な分解調節の解析などほぼ,当初の予定どおり研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
VOZ1/2の制御下で種子の登熟時に発現する遺伝子についてRNA sequence法を用いて解析する。さらにVOZ1/2が結合するシス配列の同定を試み,同定されたシス配列を持つ遺伝子群についてvoz1voz2二重変異体で発現がげんしょうしているかを解析する。また,アルファスクリーニング法によって同定されたVOZ1/2と相互作用するE3ユビキチンリガーゼを大量発現するシロイヌナズナ形質転換体を作成し,それらの形質転換体で,VOZ1/2の分解が促進するか否かについての解析を行う。
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Research Products
(5 results)