2013 Fiscal Year Annual Research Report
生物規範工学にもとづくテクノロジーが創出する経済効果の分析
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative Materials Engineering Based on Biological Diversity |
Project/Area Number |
25120504
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
馬奈木 俊介 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (70372456)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生物規範工学 |
Research Abstract |
平成25年度では、企業の生物を規範とする技術開発に関する動向を把握するために企業を対象としたインタビュー調査を行い、生物を規範とする技術で既に製品化されている製品の動向を把握するとともに、現状企業側が所望する新技術はなにか、またそうした技術が応用可能な製品のうち、実現可能性の高い技術はなにかを定性的にまとめた。また、現在、生物規範工学を応用した企業の現状の把握、技術に対する研究開発投資額などのデータを可能な限り収集し終えた。さらに、印刷産業、化学産業、鉱工業、輸送業、繊維産業、の5産業の企業に対する調査を行った。これらの産業において生物規範工学を応用した技術に製品化している企業の株価とR&D投資額に関するデータを収集し、次年度のシミュレーションへの準備を行った。 一方で企業の社会的責任(CSR)達成を目的とし行う、環境保全を目的とした投資(SRI)と同様の目的を持った基金を設置することが企業の増益に対して与える影響を、評価した。これにより、一般的に環境保全に取り組む投資と基金は、どちらも企業の利益を増加については、必ずしも効果的ではないことが分かった。しかし、このような結果はCSRの達成が目標であることが原因であると考えられる。より純粋に増益を目標とした生物規範工学に基づく技術への投資への効果とを比較する材料として、今後の考慮に加える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、生物規範工学を応用した企業の現状の把握、技術に対する研究開発投資額などのデータを可能な限り収集し終えた。次年度におけるMATLABを用いたシュミレーション分析のために必要なものがそろったと考えられる。また、部分的なデータを用いた、仮ではあるがシュミレーションを行ったところ、おおむね予想通りであり、研究会などでの報告を通じてフィードバックも得られている。 また、生物規範工学に基づく技術への投資と対比可能な投資形態が、CSRを意識した投資(SRI企業の社会的責任(CSR)達成を目的とし行う、環境保全を目的とした投資(SRI)とさらにそれと同様の目的を持った基金の設置である。これらが企業の増益に対して与える影響を評価したところ、いずれも企業の利益を増加については、必ずしも効果的ではないことが分かった。 次年度において、生物規範工学に基づく技術への投資が、5産業に属する企業の増益に与える影響をシュミレーションを用いて行い、その結果を解釈する上において、今回示された結果は、重要な役割を持っていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に収集し終えたフルセットのデータを、MATLABを用いたシミュレーションを行って分析し、論文執筆を行う。また、各産業における生物規範工学を応用した技術を用いる代表的な企業との追加的なヒアリングを行うことで、より議論の精度を高める予定である。
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