2014 Fiscal Year Annual Research Report
気孔の青色光情報伝達の遺伝学的・生化学的解析
Publicly Offered Research
Project Area | Environmental sensing of plants: Signal perception, processing and cellular responses |
Project/Area Number |
25120719
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武宮 淳史 九州大学, 大学院理学研究院, 助教 (80448406)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 青色光 / プロテオーム / フォトトロピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではフォトトロピンと細胞膜H+-ATPaseを繋ぐ新奇情報伝達因子を同定することを目的として、青色光特異的な気孔開口に異常を示すシロイヌナズナ突然変異体の選抜を進めてきた。これまでに赤外線サーモグラフィを用いて20万個体の変異体における葉面温度変化を測定した結果、60ラインの気孔開口変異体を単離することに成功した。今年度はこれらの中から気孔開口が顕著に阻害されたG39-50変異体に着目して研究を進めた。G39-50では青色光によるH+放出およびH+-ATPaseのリン酸化が野生株の半分以下に低下していることが分かった。さらにこの変異体ではH+-ATPaseのタンパク質量が野生株の30%程度に減少していることを見出した。次世代シーケンスを用いたゲノムリシーケンス解析により原因遺伝子の同定を行ったところ、この変異体ではH+-ATPaseをコードするAHA1遺伝子内にミスセンス変異をもつことが分かった。AHA1遺伝子にT-DNAが挿入された別の変異体を入手し気孔の青色光反応を調べたところ、この変異体でも気孔開口およびH+-ATPaseの活性が阻害されG39-50と同様の表現型を示すことが分かった。さらいG39-50変異体に野生型のAHA1遺伝子を導入すると気孔開口が相補されることが分かり、この変異体の原因遺伝子がAHA1であることが確定された。シロイヌナズナにはH+-ATPaseをコードする遺伝子が11存在し、これらは機能重複して働くと考えられていた。本結果は気孔開口におけるH+-ATPaseの重要性を順遺伝学的解析により初めて示した例となるとともに、組織によりアイソフォーム間に発現量の違いがありH+-ATPase活性に占める寄与が異なる可能性を示唆している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)