2014 Fiscal Year Annual Research Report
外洋域の乱流観測に基づく物質鉛直輸送に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | New Ocean Paradigm on Its Biogeochemistry, Ecosystem and Sustainable Use |
Project/Area Number |
25121503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安田 一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80270792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鉛直混合 / 栄養塩 / 乱流 / 物質循環 / 深層循環 / 潮汐 / 生物生産 / 鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)155Eにおける栄養塩鉛直拡散フラックスと生物分布:亜寒帯前線以北の北太平洋亜寒帯海域の夏季表層亜表層では、ケイ酸の鉛直勾配が硝酸の鉛直勾配を上回り、乱流によるケイ酸鉛直フラックスが硝酸フラックスを上回りフコキサンチンクロロフイルが優先する海域となっている。西部北太平洋亜寒帯では、最低要求量以上の溶存鉄鉛直乱流フラックスが溶存鉄を供給しており、亜表層での生物生産を維持していた。ケイ酸鉛直勾配が大きい原因としては、植物プランクトンが鉄不足状況下で硝酸よりもケイ酸を同化すること、および、中層での同様の鉛直勾配によってケイ酸がより多く供給される傾向にあることが考えられた。亜寒帯前線以南の亜熱帯海域では、鉄供給はそれなりにあり、硝酸フラックスがケイ酸フラックスを上回り、プロクロコッカスクロロフィルが優先する海域となっていた。これらのように北太平洋の生物分布には、物質の鉛直濃度勾配に起因する栄養塩の乱流鉛直フラックスが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 2)南太平洋137Wでの鉛直混合分布:2013年12月から2014年3月の白鳳丸KH-13-7航海において、西経170度を南北に横切る海底までの乱流計搭載グライダやCTD取り付け型乱流観測等を実施し、海底上1000mで強まる鉛直拡散係数分布などを明らかにした。 3)晩冬期道東親潮海域における水塊・鉛直混合分布:2015年3月6-26日には白鳳丸KH-15-1航海において、冬季道東親潮海域における乱流計搭載水中グライダ、水塊・流速・鉛直混合観測を実施した。厚岸沖定線で、南西向き深層流に伴う深層で強まる鉛直混合分布、また、低気圧による強風で深化する強乱流層等が明らかとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)