2014 Fiscal Year Annual Research Report
外洋性広域回遊生物のサイズ構造における時空間変動の解明
Publicly Offered Research
Project Area | New Ocean Paradigm on Its Biogeochemistry, Ecosystem and Sustainable Use |
Project/Area Number |
25121505
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
東海 正 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (30237044)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 流し網 / 網目選択性 / 高度回遊性魚類 / 漁獲機構 / 羅網過程 / 絡み / カツオ / ヨシキリザメ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は長期間に渡る船上での野帳データをもとに選択性曲線の推定を行った。1999~2012年 (4~8月)に北太平洋西部域において,14種類の目合(22, 29, 37, 48, 55, 63, 72, 82, 93, 106, 115, 121, 138, 157mm)から目合を組み合せて行われたアカイカ流し網調査のデータを用いて,高次捕食者であるヨシキリザメ,カラフトマス,シロザケ ,ギンザケ,ヒラマサ,シイラ,マルソウダ,カツオ,ビンナガ,クロメダイに対する流し網の選択性曲線を推定するこができた。 選択性曲線と体型の測定結果から,ヨシキリザメでは,口裂における胴周長が網目内周長に近い値であった。また実際に流し網で漁獲されたヨシキリザメの多くの個体が口の周りに網糸による傷があった。これらのことから,まず初めに口の周辺まで頭部の吻が網目内に入って歯などに網糸が絡まった後,暴れることで網糸が魚体に絡んでいく漁獲過程が考えられた。カツオでは,網目内周長は目の中心軸上の胴周長よりやや大きく,鰓蓋後端の胴周長より小さかった。流し網で漁獲された多くのカツオで,眼の中心軸と鰓蓋後端の間の魚体表面に網糸による傷がみられた。これらのことから,カツオは,眼のやや後ろ付近まで頭部が網目内に刺さることで漁獲されると考えられた。 昨年度においてシマガツオについては “刺し”あるいは“鰓かかり”以外の羅網過程をモデル化する必要性が示された。そこで本年度は,絡みの効果をモデル化し,マイワシを例としてモデル式の妥当性を検討した。このモデルによってシマガツオ始めとする他の魚種における絡みの効果を評価することが可能となった。 これらの成果は,流し網調査による採集物の体長組成結果を,海中資源の組成に補正するための情報を用いることができ,流し網による資源調査,漁業管理にも広く利用されることが期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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