2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスセンサーと選択的蛋白質分解系によるシグナリング複合体の構造と機能
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
25121702
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒河 博文 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80359546)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、酸化ストレスセンサーKeap1が関わる二つの蛋白質分解シグナリング複合体の構造解析を目指すものである。一つはKeap1の直接のターゲットである転写因子Nrf2を分解する際にE3酵素複合体を形成するKeap1-Cul3複合体である。Nrf2は酸化ストレスを消去する様々な酵素群を活性化する転写因子であるが、ストレスの無い状態では常に分解されている。このNrf2の抑制機構を考える上でKeap1-Cul3複合体の構造解析は重要である。もう一つは、このNrf2と競合的にKeap1に結合する選択的オートファジー基質p62が関わる複合体についてであり、Nrf2の活性化機構の解明に重要な複合体である。 Keap1-Cul3複合体の調製に向けて、Keap1のカルボキシル末端欠損変異体およびマウスCul3のカルボキシル末端欠損変異体について大腸菌での発現系を作成した。それぞれ可溶性の発現とKeap1-Cul3複合体形成を確認した。しかし、マウスCul3は溶解度に問題があり、結晶構造解析や定量的な生化学解析を行うためには条件の検討が必要であることが明らかとなった。 Keap1-リン酸化p62-LC3複合体の調製に向けて、マウスKeap1アミノ末端欠損変異体について大腸菌での発現を行った。アミノ末端のタグを切断しない方がKeap1は安定であり結晶化に適していることが明らかとなった。また、p62についてはペプチド合成によって調製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスCul3C末端欠損変異体の組換タンパク質は発現量が少なく、さらに溶解度が低く結晶構造解析には適さないものであった。機能解析については問題なく進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスCul3が結晶構造解析に適さないことが明らかとなったため、既に単体での結晶構造解析が報告されているヒトCul3C末端欠損変異体の発現ベクターを合成することとした。
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