2013 Fiscal Year Annual Research Report
医学上重要なGPCRのシグナル制御機構の構造生物学的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
25121708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 卓見 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20451859)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜蛋白質 / GPCR / NMR / 構造生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
mオピオイド受容体を昆虫細胞に大量発現させて、付加したアフィニティータグを利用してSDS-PAGE上での純度が90%以上となるまで精製した。収量は培地1Lあたり約100 ugであった。得られたmオピオイド受容体を再構成高密度リポ蛋白質の脂質二重膜中に再構成した上で、RIリガンドを用いたアッセイおよび表面プラズモン共鳴法により、十分な親和性でリガンドおよびb-アレスチンと結合することを確認した。また、得られたmオピオイド受容体が、アゴニストの添加に伴い、G蛋白質と[35S]GTPgSの結合を促進すること、およびGRKによるS377のリン酸化を受けることが観測された。したがって、得られたmオピオイド受容体がシグナル伝達活性を保持していることが示された。 また、メチオニン残基のメチル基を選択的に標識したmオピオイド受容体を調製して、界面活性剤ミセル中における1H-13C methyl-TROSYスペクトルをアンタゴニストおよびアゴニスト存在下において測定した。その結果、メチオニン残基に対応する化学シフトのシグナルが複数観測された。また、アンタゴニスト存在下とアゴニスト存在下では、一部のシグナルの化学シフトが異なっていたことから、活性化に伴う構造変化が観測されていることが示唆された。また、アゴニスト存在下で25℃, 24時間のNMR測定を行った後も、mオピオイド受容体がRIリガンド結合活性を保持していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、mオピオイド受容体のNMRスペクトルを取得して、メチオニン残基に由来するシグナルを観測すること、および結合するリガンドの違いに伴うシグナルの変化を観測することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
NMRシグナルの帰属を進めた上で、部分アゴニスト結合状態や、バイアスリガンド結合状態におけるNMRスペクトルを取得する。
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