2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナス科植物における自他認識複合体の構造基盤
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
25121723
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
村瀬 浩司 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (50467693)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自家不和合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の多くは自らの花粉を拒絶し、他個体由来の花粉でのみ受精する「自家不和合性」と呼ばれる性質をもっている。ナス科植物の自家不和合性では花柱(めしべ)に存在するRNA分解酵素S-RNaseが花柱を伸長中の花粉管に侵入して、花粉のRNAを分解することにより花粉管の伸長を停止させる。一方、花粉にはSLFと呼ばれる複数のF-boxタンパク質が存在し、自己以外のすべてのS-RNaseを無毒化することにより、花粉管の伸長を可能にしている。本研究ではこれらのSLFによるS-RNaseの協調的非自己認識に関して、構造レベルでそのメカニズムを解明するために、SLFとS-RNaseについて結晶化と構造決定を試みた。 前年度までにピキア酵母の発現系においてS5およびS9のRNaseについて発現系を構築した。本年度はこれらの結晶化スクリーニングを行い、糖鎖をEndoHにより切断したS9-RNaseから結晶を得ることができた。結晶化条件の精密化を行い、X線装置FR-Xにて回析データの収集を行ったところ、2.54オングストロームの分解能をもつ反射データを得ることができた。空間群はP6もしくはP3、格子定数はA=B=112, C= 29, a=b=90, r=120であった。分子置換法を用いて構造決定を試みたが、最適な解は得られなかった。今後、SPring-8等で回析データを取り直して、再度解析することで構造決定できることが期待される。SLFの発現は小麦胚芽の系では困難であったことから、本年度は昆虫細胞の系で発現を試みた。SLF1~6の全長とS-RNase認識領域のみをGST融合タンパク質として発現させたところ、SLF3のS-RNase認識領域のみを発現させた時に凝集していないSLFが回収された。発現条件をさらに改善していくことにより、SLFの大量発現に道が開かれると期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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