2013 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物キネトコア複合体の構造細胞生物学
Publicly Offered Research
Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
Project/Area Number |
25121735
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
西野 達哉 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助教 (50533155)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酵素反応 / 生物物理 / 走査プローブ顕微鏡 / 分子認識 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的は脊椎動物キネトコア複合体の立体構造知見を細胞生物学と組み合わせて解析することでガンや遺伝病と密接に関係する染色体分配機構の作用機序を解明することにある。特に構成的にセントロメアに存在するキネトコアの一群に焦点を当てて研究を行っている。今年度は構成的セントロメア局在ネットワーク蛋白質群(CCAN)のうちCENP-L/CENP-N複合体の機能と構造について解析した。これまでの解析からCENP-NのC末端とCENP-Lが相互作用し、安定な複合体を形成していることはわかっていたがこの複合体が他のキネトコア因子とどのように相互作用するかは不明であった。特にCENP-Cは重要なキネトコア因子であり、CENP-Aの局在やその他のキネトコア因子の局在に重要な役割を果たすことが知られている。まず我々はCENP-L/CENP-N複合体とCENP-Cの相互作用を生化学的に調べた。CENP-Cを5つの断片に分けてCENP-L/CENP-N複合体との相互作用をプルダウン法により解析したところ、CENP-Cの中間領域とCENP-L/CENP-N複合体が弱く相互作用していることがわかった。現在この相互作用に必要な最小領域を特定するべくコンストラクトを作成しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CENP-L/CENP-N複合体はCCANと呼ばれる構成的に染色体セントロメア領域に局在するキネトコア因子の一群であるが、これまでにどのような因子によりセントロメアへと局在するかわかっていなかった。今年度の解析によりCNEP-Cがその候補の一つである可能性が示唆されたことは大きな進展で、今後生化学的、細胞生物学的に解析を行うことによりその詳細が明らかになると考える。また本相互作用を更に構造生物学的に解析することで本研究の目的である構造生物と細胞生物学を融合することが可能になる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCENP-L/CENP-N複合体とCENP-Cとの相互作用の詳細を明らかにする目的でNMRを使って相互作用部位の同定を行うとともにX線結晶構造解析を行い、その相互作用を原子レベルで明らかにする。
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Research Products
(6 results)