2013 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳開始因子ｅＩＦ２Ｂの機能発現の構造基盤
Publicly Offered Research
| Project Area | Structural basis of cell-signalling complexes mediating signal perception, transduction and responses |
|---|
| Project/Area Number |
25121737
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
| Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
|---|
Principal Investigator |
伊藤 拓宏 独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, ユニットリーダー (70401164)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
| Keywords | 翻訳 / 翻訳開始因子 / eIF2B / eIF2 / Ｘ線結晶構造解析 |
|---|
| Research Abstract |
本研究は真核生物の翻訳開始の最初のステップを制御している翻訳開始因子eIF2Bの機能発現機構を構造生物学的手法により解明することを目的としている。eIF2Bは、GTP結合に依存して開始メチオニルtRNAをリボソームへと運搬する役割を持つeIF2に特異的なグアニンヌクレオチド交換因子であり、α―εの５つのサブユニットからなる。eIF2BεのC末端領域に活性ドメインであるHEATドメインを持つ。昨年度までにeIF2Bの立体構造解析をＸ線結晶構造解析により明らかにしたが、本年度はeIF2Bの標的因子であるeIF2との相互作用様式を部位特異的クロスリンク法を用いた生化学的手法によって明らかにした。
eIF2BαとeIF2Bβ、eIF2Bεは制御サブコンプレックスを構成し、３つのサブユニットが形成するくぼみを用いてeIF2のαサブユニット（eIF2α）のN末端ドメインと相互作用することを明らかにした。またeIF2BγとeIF2Bεからなる活性サブコンプレックスは広い範囲を用いてeIF2のγサブユニットと相互作用していることを明らかにした。eIF2α単体では、リン酸化の有無によってeiF2αサブユニットとeIF2Bの制御サブコンプレックスの相互作用様式の変化は少ないことを見出した。
また、翻訳開始因子eIF2Aの立体構造解析にも成功し、発表論文として報告した。eIF2AはeIF2やeIF2Bに依存しない翻訳開始に寄与している因子であり、eIF2と比較してどのような役割を果たしているかは興味深い。本研究により、eIF2Aは9枚のβプロペラからなる構造であることが明らかとなり、保存性の高い正電荷に富んだ面が存在することを新たに見出した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
eIF2BとeIF2の相互作用様式について、生化学的な解析によりこれまでに不明であった多くのことを明らかにすることが出来た。eIF2BとeIF2を結晶化条件の探索が可能である質と量で調製することが可能となった。
|
| Strategy for Future Research Activity |
eIF2とeIF2Bとの相互作用様式について、生化学的な解析を更に進めると同時に、eIF2-eIF2B複合体、およびリン酸化eIF2-eIF2B複合体について結晶化条件の探索を進める。これらの複合体の解析については、低温電子顕微鏡による単粒子解析による立体構造解析についても併せて進める。
|
-
-
[Presentation] Structural basis of the sequence-specific methyltransfer reaction by bacterial tRNA methyltransferase TrmD2013
Author(s)
Ito, T., Masuda, I., Yoshida, KI., Goto-ito, S., Sekine, SI., Wonsuh, S., Hou, YM. and Yokoyama, S.
Organizer
The 65th Fujihara Seminar International Symposium on Synthetic Biology of Unnatural Base Pairs and Amino Acids
Place of Presentation
苫小牧
Year and Date
20131001-20131004
-
[Presentation] Structural mechanism of site-specific RNA modification by the bacterial tRNA(m1G37)-methyltransferase TrmD2013
Author(s)
Ito, T., Masuda, I., Yoshida, KI., Goto-ito, S., Sekine, SI., Wonsuh, S., Hou, YM. and Yokoyama, S.
Organizer
7th International Conference on Structural Genomics 2013 - Structural Life Science (ICSG2013-SLS)
Place of Presentation
札幌
Year and Date
20130731-20130801
